2003 Fiscal Year Annual Research Report
BCG生菌由来Th1免疫誘導型新規TLR2リガンドの特定とサイトカイン誘導機構
Project/Area Number |
15590385
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河村 伊久雄 京都大学, 医学研究科, 助手 (20214695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光山 正雄 京都大学, 医学研究科, 教授 (10117260)
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Keywords | Mycobacterium bovis BCG / Mycobacterium tuberculosis / IL-12 / Toll-like receptor / NF-κB / マクロファージ / ハイドロキシアパタイト |
Research Abstract |
1.M.bovis BCGおよび結核菌生菌に特有なIL-12産生誘導因子の特定 これまでの研究から、BCGおよび結核菌(M.tuberculosis H37Rv)早期培養上清中に、IL-12産生誘導活性を有するタンパク性因子が分泌されることが確認されている。本年度は、主に結核菌由来のIL-12産生誘導因子の精製とその同定を試みた。培養上清を濃縮後、ハイドロキシアパタイトカラムクロマトグラフィーで分画したところ、複数のIL-12産生誘導活性を示す画分が得られた。そのうち、50mMリン酸緩衝液で溶出された画分の活性が最も強いことがわかった。この画分をゲルろ過し、IL-12産生誘導活性を調べたところ、分子量130k付近の結核菌因子を含む画分に強い活性が認められた。また、この画分をproteinase Kで処理すると、IL-12産生誘導活性が認められなくなったことから、結核菌由来のタンパク性IL-12産生誘導因子はこの画分に存在することが示された。 2.IL-12産生誘導の分子機構の解析 BCGおよび結核菌培養上清中のIL-12産生誘導因子は、TLR2を介してサイトカイン産生を誘導する可能性が示されているが、現在、その因子の精製を進めている段階であり、IL-12産生誘導の分子機構の解析は、平成16年度に遂行する課題となる。その結核菌因子を単離できたならば、TLR2あるいはその他のTLR分子を発現したHEK293細胞のNF-κBの活性化を指標にして、それらTLR分子のサイトカイン産生誘導への関与について解析する。一方、マクロファージにはBCGや結核菌のような細胞内寄生菌の刺激を受けてサイトカイン産生を惹起する細胞内シグナル伝達系が存在すると考えられる。この機序を解析する目的で、これまでに種々のタンパク質導入試薬の検討を行い、マクロファージに効率良くタンパク質を導入する系を確立した。そこで来年度は、この実験系を用いて、細胞内サイトカイン産生誘導に関与する結核菌因子および細胞内シグナル伝達系についての解析を行う。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Terumi Kimoto: "Differences in gamma interferon production induced by listeriolysin O and ivanolysin O result in different levels of protective immunity in mice infected with Listeria monocytogenes and Listeria ivanovii"Infection and Immunity. 71・5. 2447-2454 (2003)
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[Publications] 河村伊久雄: "結核の免疫学"医薬ジャーナル. 40・2. 729-734 (2004)