2003 Fiscal Year Annual Research Report
特異的脂質結合毒素の生体膜上における蛋白分子ドメイン会合機構の超微形態学的解析
Project/Area Number |
15590396
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
関矢 加智子 北里大学, 薬学部, 講師 (30050579)
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Keywords | 孔形成細胞溶解毒素 / コレステロール / 分子会合 / 超微形態 / ネガティブ染色 / リポソーム / 溶血機構 / ストレプトリジンO |
Research Abstract |
当該研究は、溶血レンサ球菌が産生するストレプトリジンO(SLO)によって代表される、特異的脂質を標的として生体膜に結合する孔形成細胞溶解毒素が、毒素を構成する4つの蛋白ドメインのレベルで、どのように生体膜へ結合後、会合し溶血を起すのか、その機構を超微形態学的に解析することを目的としている。 実験1.SLO分子会合モデルの内外分子が同一か否かの解析 SLO毒素ファミリーであるボツリヌス菌が産生するボツリノジン(BLY)も、SLO作用時と同様の二重のリングを形成する結果が得られ、内外同一分子である可能性が高いとの結論を得た。 実験2.分子の会合におけるコレステロールの役割の解析 (1)コレステロール添加による溶血阻害(2)合成フォスファチジルコリン・リポソームによる検討を行なった。SLOは、コレステロールを標的として膜に結合することが、超微形態学的に証明された。 実験3.電子分光顕微鏡によるリポソームでの解析 卵黄フォスファチジルコリン・リポソームによる解析の結果から、BLYでは、リポソーム上での会合は見られるが、SLO作用時ならびにBLYの赤血球膜作用時のような孔形成は観察されず、BLYは、膜内への侵入にSLOとは異なる性状を示すことが分かった。このような相違の原因究明が、分子会合後の孔形成機構を解明するカギになるものと考えられ、今後、さらに検討していく予定である。 実験4.変異SLO毒素での解析 最終年度からの予定であったが、徳島大学の長宗秀明先生との共同研究により、今年度3月から実験開始の予定である。
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