2004 Fiscal Year Annual Research Report
Candida albicansの粘膜感染に対する生体防御能に関する研究
Project/Area Number |
15590401
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Research Institution | Teilyo University |
Principal Investigator |
安部 茂 帝京大学, 医真菌研究センター, 教授 (10125974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 彌生 帝京大学, 医療技術学部, 助教授 (10082231)
槙村 浩一 帝京大学, 医学部, 助教授 (00266347)
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Keywords | マウスモデル / 口腔カンジダ症 / 膣カンジダ症 / 咽頭カンジダ症 / 唾液 / 十全大浦湯 / 好中球 / ミエロパーオキシダーゼ |
Research Abstract |
マウスモデルを用い、Candida albicansの粘膜感染では感染部位(口腔粘膜と膣粘膜)の違いにより病態が異なること、また、両者で、生体防御反応のあり方後異なることを見いだしさらに、防御反応を高めることが期待される天然物を利用することにより、これら粘膜カンジダ症の新たな予防・治療法の開発が可能であることを示唆する結果を得た。 すでに発表したクロルプロマジンを用いた口腔内へのCandida接種で作製した口腔カンジダ症モデルの他に、抗炎症ステロイド吸入剤(ベコタイド)を用いた口腔・咽頭カンジダ症モデルを作製した。このモデルでは、咽頭部にCandidaを塗布しそこにステロイド吸入剤を噴霧することで、軟口蓋にもCandida性白苔を生じ、しかもその白苔の深部に炎症性細胞の浸潤がおこり、表皮の肥厚が認められた。(論文作成中)これらのモデルを用いて、白血球の動態を形態学的に調べると共に、マーカー酵素のミエロパーオキシダーゼ量の変化を測定し炎症の指標とできることを明らかにした。また、多種の天然物を用いて防御能の増強を試みた結果、ヒト正常唾液および漢方補剤十全大補湯の経口投与が、これらのカンジダ症の治療に有効であることがわかった。唾液の場合には、基質に付着したCandidaを剥離させる活性がこの防御作用に寄与している可能性を明らかにした。 一方、膣カンジダモデルでは、好中球の集積を伴う炎症がおき、それが白帯下に代表される炎症症状を、増悪することを、見いだした。(論文作成中)炎症反応に対し一部の植物精油が、抑制的に働くことを見いだし(論文発表済)、それら植物精油が膣カンジダモデルで治療効果を発揮しうる可能性を現在さぐっている。
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