2004 Fiscal Year Annual Research Report
抗菌ペプチドの感染防御におけるin vivoでの機能と意義の解析
Project/Area Number |
15590406
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
桑野 剛一 久留米大学, 医学部, 教授 (60215118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木田 豊 久留米大学, 医学部, 助手 (30309752)
清水 隆 久留米大学, 医学部, 助手 (40320155)
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Keywords | 抗菌ペプチド / Mycoplasma pneumoniae / β-defensin / CRAMP |
Research Abstract |
本年度、in vitroの感染における抗菌ペプチドの解析をするため、Mycopalasma pneumoniae(M.p.)感染系で抗菌ペプチドが誘導されるか、また抗菌ペプチドが感染防御的に機能するか気管支由来上皮細胞株を用いて検討した。M.p.および炎症性サイトカンIL-1βは細胞株におけるβ-defensin(β-d)-2mRNAを強く誘導したが、β-d-1 mRNAは若干増強されたのみであった。β-d-3mRNAは、バックグランドに中等度の発現があるが、刺激によって全く増強を認めなかった。合成β-dペプチドで抗菌活性を比較したところ、β-d-2とβ-d-3がほぼ同じ活性で、β-d-1は弱かった。さらに、培養上清中のβ-d-2をウエスタンブロット(WB)法で検出した。次に、感染防御について検討したところ、産生誘導されたβ-d-2がM.p.の増殖を有意に抑制することを見出した。そこで、このM.p.の増殖の抑制がβ-d-2によって誘導されることをSiRNAを使って、確認している。 in vitroの実験と並行して、マウスの感染モデルで抗菌ペプチドが誘導されるか検討をした。抗菌ペプチドとして、その機能が解明されていないcathelicidinファミリーに属するCRAMPについて検討した。先ず、in vitroでCRAMPがM.p.に対して抗菌活性を有することを確認した。次に生菌M.P.をマウスに感染させ、経時的に感染肺を摘出して、ホモジナイズ後、肺抽出液中に感染24時間後にWB法でCRAMPを検出した。また、感染肺由来の細胞からRNA抽出後、RT-PCRでCRAMPを検出した。さらに免疫染色を行ったところ、気管支上皮細胞には明らかなCRAMP陽性細胞を確認できなかったが、気管支周囲に浸潤している好中球細胞にCRAMPの存在を認めた。現在、感染防御と好中球の関わりを検討している。
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Research Products
(2 results)