2003 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス様中空粒子を用いたC型肝炎ウイルス感染症に対する遺伝子治療の基礎的実験
Project/Area Number |
15590415
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
保富 康宏 三重大学, 医学部, 助教授 (90281724)
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Keywords | HCV / 遺伝子治療 / 免疫 / CTL / VLP / サイトカイン / ワクチン |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルス(HCV)は感染後慢性の経過をたどり、肝炎から肝硬変、肝癌へと移行していく。この病態には免疫系、特に細胞性免疫が関与していると考えられ、HCVに対する免疫系を調節することで病態の進行を防げると考えられている。本研究ではE型肝炎ウイルス(HEV)のウイルス様中空粒子(VLP)をベクターとして我々が開発したインターロイキン4(IL-4)変異体遺伝子による遺伝子免疫療法の基礎的研究をHCV感染モデルマウスを用いて行うことを目的とした。IL-4変異体はマウスIL-4のアミノ酸116Qと119YをDに置換することで作成した。116の変異体はIL-4のreceptorα(Rα)とcommonγ(γc)にのみ結合し、116と119の両者を置換するとIL-4Rαとのみ結合することを確認した。このIL-4変異体を喘息モデルマウスに投与したところIL-4DM投与では完全に喘息の発生を抑えたことからIL-4DMはIL-4のアンタゴニストであり、免疫反応をTh1に、IL-4SMは逆にアゴニストとしてTh2に誘導することが判明した。このIL-4変異体DNAを用い、VLPをベクターとして遺伝子治療を行うことを試みた。VLPはCaイオン依存的に粒子を形成していることからVLP溶液内のCaイオンをキレートしVLPの分子間を広げIL-4変異体DNAを封入した。これを用いると細胞内にDNAを導入することが可能であることをin vivo、in vitroで確認された。この様にVLPを用いてIL-4変異体遺伝子を遺伝子治療に使用できる可能性が示された。さらにHCV特異的細胞性免疫を誘導する目的で結核菌ワクチン(BCG)にHCV-NS5遺伝子を組み込みリコンビナントBCGワクチンの開発にも成功した。
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[Publications] Uno-Furuta, S., Matsuko, K., et al.: "Immunization with recombinant bacillus Calmette-Guerin (BCG)-hepatitis C virus (HCV) elicits HCV-specific cytotoxic T lymphocytes in mice"Vaccine. 21. 3149-3156 (2003)
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[Publications] Hayashi, T., Yasutomi, Y., et al.: "Interleukin-4-expressing plasmid inhibits reovirus type-2-triggered autoimmune insulitis in DBA/1J suckling mice"Int.J.Exp.Path.. 84. 101-106 (2003)
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[Publications] Nishikubo, K., Murata, Y., et al.: "A single administration of interleukin-4 antagonistic mutant DNA inhibits allergic airway inflammation in a model of asthma"Gene Ther.. 10. 2119-2125 (2003)
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[Publications] Takamura, S., Niikura, M., et al.: "DNA vaccine-encapsulated virus-like particles derived from an orally transmissible virus stimulates mucosal and systemic immune responses by oral administration"Gene Ther.. (印刷中). (2004)