2004 Fiscal Year Annual Research Report
パラミクソウイルスの出芽に関わるシグナルと宿主因子の解明
Project/Area Number |
15590418
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
坂口 剛正 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (70196070)
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Keywords | ウイルス / センダイウイルス / 粒子形成 / 出芽 / ウイルス様粒子 / AIP1 / Alix / C蛋白質 |
Research Abstract |
本研究の目的は、センダイウイルスの蛋白質、特にウイルス粒子形成に重要な役割を果たすマトリックス(M)蛋白質について、出芽に必要なシグナルを同定することである。このために、複数のウイルス蛋白質cDNAを細胞に導入してウイルス様粒子を産生する系を確立する。さらに、このシグナルと相互作用する宿主蛋白質を検索する。 1.センダイウイルスのウイルス様粒子(VLP)産生系の確立 センダイウイルスの構造蛋白質を発現するプラスミドを、複数組み合わせて、実際のウイルス粒子と同等の密度と大きさをもつVLPを作る系を確立した(Sugahara et al.)。 2.センダイウイルスC蛋白質と相互作用する宿主蛋白質の同定 VLP産生系で、センダイウイルスC蛋白質を同時に発現すると出芽効率が亢進することを見いだした。C蛋白質に粒子形成・出芽を促進する活性があることがわかった(Sugahara et al.)。C蛋白質と相互作用する蛋白質を酵母two hybridシステムで検索して、AIP1/Alixと相互作用することを見いだした。AIP1/Alixと結合できないC変異体はVLP出芽促進活性を持たなかった。また、AIP1/Alixの過剰発現でセンダイウイルスの出芽が促進し、RNAiによるノックダウンで出芽が抑制されたので、AIP1/Alixはセンダイウイルスの出芽に重要な働きをすることが明らかになった(Sakaguchi et al.)。AIP1/Alixは、アポトーシスに関連する蛋白質として同定されたが、のちにエンドサイトーシスに関与する細胞質側の複合体(ESCRT)の一員であることが明らかになっている。 来年度は、C蛋白質に存在すると思われるLドメインの検索を進める。また、センダイウイルス出芽にC蛋白質よりも重要と考えられるM蛋白質について、宿主機能との関連を調べる。
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Research Products
(4 results)