2003 Fiscal Year Annual Research Report
HIV-1ガーナ株のプロテアーゼ阻害剤に対する感受性の検索
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15590426
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
徳永 研三 国立感染症研究所, 感染病理部, 主任研究官 (50342895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐多 徹太郎 国立感染症研究所, 感染病理部, 部長 (00162397)
石川 晃一 国立感染症研究所, エイズ研究センター, 主任研究官 (50192480)
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Keywords | HIV-1 / プロテアーゼ / プロテアーゼ阻害剤 / サブタイプ / ガーナ株 / カセットベクター / 遺伝子系統樹 / 薬剤感受性 |
Research Abstract |
現在、HIV-1感染患者において延命効果を上げているHAARTにおいて、要となる薬剤であるHIV-1プロテアーゼ阻害剤(PI)は元来、欧米で流行してきたサブタイプBのウイルスプロテアーゼ(PR)をターゲットとしてデザイン及びテストされてきた。HAARTが導入されつつある西アフリカで流行中のHIV-1サブタイプは主にA・GまたはA/G組換え型であり、PIに対して感受性を示すか否かは不明である。そこでまず我々が先頃構築した、HIV/AIDS患者由来のPRを挿入できるHIV-1 PRカセットベクターを用いて、ガーナ人患者サンプル39人分のHIV-1 PR遺伝子をPCR増幅・制限酵素処理して、患者由来PR組換え型HIV-1 DNAを作製した。それら各PR遺伝子のシークエンスを行い、ガーナ株由来PRの各アミノ酸配列とサブタイプBコンセンサス配列のマルチプル・アラインメントにより、既知のPI耐性誘導変異箇所との比較を行ったその結果、低レベルではあるものの耐性誘導に関わる2箇所の変異が、全てのガーナ株PRに共通して、またそれ以外に別の2箇所の低レベル耐性誘導変異も比較的高頻度に認められた。次に遺伝子系統樹を作製した結果、ガーナ株PR遺伝子は全てサブタイプAとGの中間のグループに属することが判明した。またB・D・FおよびCは比較的近縁グループに属しているのに対し、A・GおよびA/G組換え型はそれらのグループから系統樹的にかなり離れたところに別のグループを形成することが明らかになった。このことから、元来サブタイプBをターゲットとして作られたPIの効果がガーナタイプとBでは異なる、という可能性が示唆された。実際、患者由来PRの組み換え型HIV-1の薬剤感受性試験を行った結果、一部のPIに対してガーナ株PRが抵抗性を示すことが明らかになった。今後、塩基配列との相関性についても検討して行く予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Richardson, R.M., Tokunaga K., Marjoram, R., Sata, T., Snyderman, R: "Interleukin-8 cross-desensitizes cellular responses to both CCR5 and CXCR4 but inhibits HIV-1 infection only to CCR5 : role of receptor cross-internalization and signal strength."J.Biol.Chem.. 278. 15867-15873 (2003)
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[Publications] Shoya, Y., Tokunaga, K., Sawa, H., Maeda, M., Ueno, T., Yoshikawa, T., Sata, T., Kurata, T., Cullen, B.R., Takahashi, H.: "Human topoisomerase I promotes HIV-1 proviral DNA synthesis : implications for the species specificity of HIV-1 infection."Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.. 100. 8442-8447 (2003)
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[Publications] Ueno, T., Tokunaga, K., Sawa, H., Maeda, M., Chiba, J., Kojima, A., Hasegawa, H., Shoya, Y., Sata, T., Kurata, T., Takahashi, H.: "Nucleolin, and the packaging signal, Ψ, promote the budding of human immunodeficiency virus type 1(HIV-1)"Microbiol.Immunol.. 48. 111-118 (2004)
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[Publications] Zheng, Y.-H., Irwin, D., Kurosu, T., Tokunaga, K., Sata, T., Peterlin, B.M.: "Human APOBEC3F is another host factor that blocks HIV-1 replication."J.Virol.. In press. (2004)