2003 Fiscal Year Annual Research Report
Rap1とその新規下流分子p30によるインテグリン接着制御と免疫調節機構
Project/Area Number |
15590436
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
片桐 晃子 京都大学, 医学研究科, 講師 (00322157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木梨 達雄 京都大学, 医学研究科, 教授 (30202039)
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Keywords | 細胞接着 / インテグリン / LFA-1 / Rap1 / RAPL / 細胞極性 / Tリンパ球 / 遊走 |
Research Abstract |
低分子量G蛋白質Rap1は、TCRやケモカイン刺激によるインテグリンの強力な活性化シグナルとして機能する。本年度はRap1が細胞遊走を誘導し、リンパ球の経血管内皮移動に重要であることを見いだし、そのメカニズムとして、Rap1が前方へleading edge、後方にuropodを生じる細胞極性を誘導することを明らかとした。また、これにともなって、LFA-1がleading edgeに集まりclutserを形成し、これがLFA-1の接着上昇に必須であることを見いだした。また、Rap1の下流標的分子として、Rap1-GTPに特異的に結合する30kDの新規蛋白分子をRAPLを、酵母two-hybrid法にて単離した。RAPLはT及びBリンパ球に発現しており、その生体内分布は脾臓、リンパ節、胸腺などの免疫組織に限局している。RAPLをリンパ球に過剰発現するとLFA-1のICAM-1への接着は上昇し、同時にICAM-1上を活発に動き回ることが判明した。RAPLの優勢抑制型を作製し、過剰発現させるとTCR及びケモカインによる接着/遊走が低下した。RAPLの特異的抗体を作製し、細胞内局在を検討したところ、RAPLは、Rap1の活性化刺激によって、核周辺からLFA-1とともにleading edgeへ30秒以内に移動することがわかった。RAPLは、Rap1の活性化とともに、細胞極性を誘導し、LFA-1と複合体を形成することによって、leading edgeへ集積させる働きがあると考えられる。さらにTリンパ球においてRAPLは抗原提示細胞と結合すると、すみやかに接着部位へ集積し、免疫シナプスにおいて、TCRのclusterを取り囲むLFA-1リングと一致する局在を示すことがわかった。このことはRAPLが免疫シナプスの形成に重要な役割を果たす可能性を示唆した。
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[Publications] Katagiri, K., et al.: "Rap1-mediated LFA-1 activation by the T cell antigen receptor is dependent on PLCγ-1"J.Biological Chemistry. (in press).
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[Publications] Katagiri, K., et al.: "RAPL, a Rap1-binding molecule that mediates Rap1-induced adhesion through spatial regulation of LFA-1"Nature Immunology. 4. 741-748 (2003)
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[Publications] Tohyama, Y., et al.: "The critical cytoplasmic regions of the αLβ2 integrin in Rap1-induced adhesion and migration"Molecular Biology of the Cell. 14. 2570-2582 (2003)
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[Publications] Shimonaka, M., et al.: "Rap1 translates chemokine signals to integrin activation, cell polarization, and motility across vascular endothelium under flow"J.Cell.Biology. 161. 417-427 (2003)