2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590466
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小山 豊 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (00215435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 敏夫 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00107103)
馬場 明道 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (70107100)
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Keywords | グリア細胞 / アストロサイト / 脳浮腫 / 血液脳関門 / 脳血管内皮細胞 |
Research Abstract |
アストログリア-脳血管内皮細胞共培養系BBBモデルにおけるエンドセリンの透過性促進作用:血液脳関門(BBB)を担う脳血管内皮細胞の物質透過性に対するエンドセリンの作用を脳血管内皮由来bEnd.3細胞とラット大脳アストロサイトの共培養系で検討した。エンドエリンはbEnd.3細胞の物質透過性を亢進させた。またRT-PCRによるエンドセリン受容体の発現について検討し、bEnd.3細胞には、ETBタイプのエンドセリン受容体が多く発現していることが示された。この結果は脳病態時に傷害部位で発現増加することが知られるエンドセリンが、傷害に伴う脳浮腫の惹起因子であることを示唆すると同時に、エンドセリンEB受容体の遮断薬が脳浮腫の改善作用を持つ可能性を示唆する。 エンドセリンによるアストロサイト由来血管透過性亢進因子の産生:血管内皮細胞と共にBBBを形成するアストロサイトは、内皮細胞の透過性を亢進させる種々の因子を産生する。培養アストロサイトに対してエンドセリンは、血管透過性亢進因子であるVEGF、MCP-1およびIL-8のmRNA発現を増加させた。また細胞外マトリックス分子を分解し、脳血管の新生を促進するマトリックスメタロプロテイナーゼ-2および-9(MMP-2、MMP-9)の発現も増加させた。ETB受容体の選択的刺激薬(Ala-ET-1)を投与したラット脳においても、これらの発現増加が観察された。これらの結果は、エンドセリンがアストロサイトの血管透過性亢進物質の産生を介して、脳浮腫を惹起することを示唆する。
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Research Products
(4 results)