2004 Fiscal Year Annual Research Report
食塩感受性高血圧におけるナトリウム代謝関連遺伝子多型の病態的意義
Project/Area Number |
15590477
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
保嶋 実 弘前大学, 医学部, 教授 (90142934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 優 弘前大学, 医学部, 助教授 (10226300)
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Keywords | 高血圧 / Gitelman症候群 / サイアザイド感受性Na-Cl共輸送体 / 変異 / 一塩基多型(SNPs) / 連関解析 |
Research Abstract |
ナトリウム代謝関連遺伝子である腎曲尿細管サイアザイド感受性Na-Cl共輸送体(TSC)の機能異常は、高レニン血症を呈するGitelman症候群として知られており食塩感受性高血圧の鏡像と考えられている。したがって、食塩感受性高血圧の遺伝的背景の解明にはTSCの解析が欠かせない。今年度は新たなGitelman症候群の臨床例についてTSCの遺伝子解析を行った。また、TSCの変異および多型による高血圧との連関研究を行った。 今年度のTSC遺伝子変異解析の対象は10症例であった。PCRダイレクトシーケンス法によりイントロンの一部を含む26エクソン全ての塩基配列を決定し変異を検出し、PCR-RFLP法等により変異塩基配列の確認を行った。前年度解析した11症例の結果と合わせ同義置換を含む計21変異が検出された。7例では同義置換以外の変異は検出されなかったが、14例で13のミスセンス変異と、第16エクソンナンセンス変異および第6エクソン18塩基挿入変異が認められた。同義置換変異の366A/G、2142C/T、2598C/Tとミスセンス変異1868T/Cは、東日本と西日本に分布していた。また、ミスセンス変異の539C/A、1315G/A、2546T/A、2864G/Aおよび第6エクソン18塩基挿入変異は西日本にのみ認められた。一方、北東北では第16エクソンの5C/4Cナンセンス変異が5例中4例で認められ、1例はホモ接合体であった。5C/4Cナンセンス変異の北東北における集積が特徴的であった。 連関研究では、若年の高血圧者32例と高齢で正常血圧を示す20例で同様にTSC遺伝子塩基配列を決定した。両群で上記変異は認められず、また、2711G/A多型についても遺伝子型の頻度に差を認めなかった。高血圧におけるTSCの役割についてはさらに検討を加えていく必要がある。
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Research Products
(6 results)