2004 Fiscal Year Annual Research Report
生体の分光反射率の画像化による新しい無侵襲病態検査法の開発
Project/Area Number |
15590480
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
西堀 真弘 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (60189305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 博 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60155158)
三宅 洋一 千葉大学, 工学部, 教授 (70027895)
津村 徳道 千葉大学, 工学部, 助教授 (00272344)
田中 直文 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (90280982)
宮崎 安洋 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40302848)
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Keywords | 分光反射率 / 分光推定 / 色再現 / 実物色画像 / 医用画像 / 色素分布推定 / 分光画像 / 機器・照明非依存 |
Research Abstract |
デジタルカメラでフラッシュ撮影した画像から各ピクセルの分光反射率を推定し、照明光源のパラメータを入力することにより、その照明下での色を再現した画像を表示する機能、および分光反射率からメラニン、ヘモグロビンおよび酸素飽和度を推定し画像化する機能という2つの機能を備えたプロトタイプシステムを試作した。 デジタルカメラで健常者および典型症例の皮膚および粘膜を撮影し、このシステムを使って医療従事者を対象に主観評価実験とニーズ調査を行った。RGB3種類の波長帯域のデータから推定された皮膚および粘膜の分光反射率の色再現精度は、皮膚科、歯周病科、看護等の領域において7〜8割程度のケースで臨床ニーズを満たすと評価された。 このシステムを使って手掌の色素分布をモニターしながら、同側の上腕動脈を圧迫したところ、動脈血流の遮断により末梢のヘモグロビンと酸素飽和度は著しく減少し、再開通により回復した。パルスオキシメーターで測定した同側示指の動脈血酸素飽和度は、血流遮断時と再開通後の数秒間は測定不能となったが、測定可能となった時点では殆ど変化は見られなかった。また透明なアクリル板で短時間手掌を圧迫したところ、ヘモグロビンは著しく減少したが、酸素飽和度の変化は比較的軽微であった。医療従事者を対象にしたニーズ調査では、パルスオキシメーターでは得られない、より細かな末梢組織の変化を捉えていることが高く評価され、炎症の定量化(皮膚科、歯周病科等)、壊疽や褥創の予知(皮膚科、糖尿病科、血管外科、看護)、移植組織の血流確認(皮膚科、形成外科等)、麻酔時の酸素飽和度モニター(麻酔科)などに極めて大きな有用性が期待できると評価された。
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Research Products
(6 results)