2004 Fiscal Year Annual Research Report
改良型コラーゲンビーズ法による抗血小板薬の薬効モニタリング法の確立
Project/Area Number |
15590481
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
佐藤 金夫 山梨大学, 医学部, 教務職員 (20242662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 由基男 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (30134539)
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Keywords | コラーゲンビーズカラム / 血小板機能検査 / 塩酸チクロピジン / シロスタゾール / 抗血小板薬 / プラビーズカラム・PAG / 血小板停滞率 |
Research Abstract |
抗血小板薬として塩酸チクロピジン・シロスタゾールを用いて改良型コラーゲンビーズ法で血小板機能を評価し、薬効モニタリングヘの応用を検討した. 抗血小板薬を投与し、服薬前後で採血を行った.血小板機能は改良型コラーゲンビーズカラム(コラーゲンでコーティングされたビーズを詰めたチューブ)への血小板停滞率を指標として評価した.すなわち、採血した血液を注射器に移し、シリンジポンプで血液を押し出してカラム内を通過させ、出てきた血液を血球算定用のEDTA採血管に集めた.通過させない血液もEDTA採血管に直接混合し、両採血管の血小板数を測定して血小板停滞率を算出した. 本測定系を用いると、塩酸チクロピジンの服用後に血小板停滞率は有意に減少したが、服用前から血小板停滞率が低かった場合(30%以下)血小板停滞率に変化は見られなかった.この結果より、血小板停滞率が低い場合には塩酸チクロピジンの抑制作用が評価しづらい可能性が示唆された.しかし、血小板停滞率が低いということは、血小板機能が亢進していないことを意味し、このような患者に対して抗血小板薬を投与する必要性はないと考えられるため、抗血小板薬モニタリングの観点からは、問題はないと考えられた.一方、シロスタゾールの服用では血小板停滞率は服用前後で差が見られなかったことから、本測定法は抗血小板薬の万能なモニタリング法とはいえず、薬剤に応じてモニタリング法を選択する必要があると考えられた. 従来、抗血小板薬のモニタリングとして光透過性の変化を利用した吸光度法が使用されていたが、血液から血小板を分離する必要があり、測定結果を得るまでに時間を要した.その点、本測定法は全血のまま行えるので迅速に測定結果を報告することができる.また、本研究成果を基にアイエスケー株式会杜から"プラビーズカラム・PAG"として本カラムが販売されている.
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