2005 Fiscal Year Annual Research Report
男性不妊症における遺伝的背景の研究および臨床検査システムの構築
Project/Area Number |
15590490
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
梅野 真由美 徳島大学, 医学部, 助手 (00213497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新家 利一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (10311820)
中堀 豊 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10172389)
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Keywords | Y染色体欠失 / 男性不妊症 / AZF / マルチプレックスPCR法 / マイクロチップ電気泳動法 / HSFY |
Research Abstract |
1.マルチプレックスPCR法およびマイクロチップ電気泳動法を用いたY染色体欠失解析システムの開発 男性不妊症において無精子症は重要な原因の一つであり、Y染色体の無精子症候補領域(AZFa,b,c)の微少欠失が報告されている。これらを効率的に解析するための新しいプライマーセットを作製し、マイクロチップ電気泳動法を用いたY染色体欠失解析システムの開発を行った。今年度は、さらに迅速に解析が行えるように、血液直接PCR法または固定化DNAを用いるPCR法を用いた方法について検討を行った。島津製作所の、Ampdirect Plusを用いると、血液からDNAを抽出することなく、全血0.2μlを直接添加してPCRを行うことが可能であり、良好な成績が得られた。 2.男性不妊症における遺伝的背景の研究 Y染色体上の無精子症候補領域の一つAZFbに存在するHSFY遺伝子の発現、並びにコードする遺伝子産物の組織分布、および細胞内局在について解析した。HSFY遺伝子は精巣に特異的に発現しており、精子形成に時期特異的な役割を持っている可能性があると考えた。また、HSFYのマウス相同遺伝子であるmHSFYLが精巣に特異的に発現していることを見出したため、mHSFYL/HFSY類似タンパク質の進化的な保存性について研究した。その結果、mHSFYL/HFSYは、精子形成において標的遺伝子の転写制御など、進化的に保存された役割をもっているのではないかと考えた。
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