2003 Fiscal Year Annual Research Report
HCV感染者におけるADH2とALDH2の遺伝子多型と肝がん罹患との関連性の研究
Project/Area Number |
15590507
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
邵 力 山形大学, 医学部, 助手 (80344787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深尾 彰 山形大学, 医学部, 教授 (80156736)
高橋 達也 山形大学, 医学部, 助教授 (50304928)
渡辺 久剛 山形大学, 医学部, 助手 (00332536)
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Keywords | C型肝炎 / 肝がん / 遺伝子多型 / ADH2 / ALDH2 |
Research Abstract |
わが国における肝がん死亡数は年間30,000人を超え、増加傾向にある。その肝がんの76.6%はC型肝炎ウイルス(HCV)感染に伴ったものであり、肝がんの罹患にはHCVが重要な役割を担っていると考えられている。しかし、HCV感染者が必ずしも肝がんに罹患するわけではない。HCVによる肝がん発生の機序を解明するには、ウイルスそのものの影響に加え、宿主側の要因(遺伝子やライフスタイルなど)の差異の検討も重要である。 アルコール摂取は、HCVが関与する肝線維化および肝がん発生に影響を与えると考えられている。欧米人と異なり、日本人はアルコール代謝関連酵素であるアルコール脱水素酵素(ADH2)およびアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)をコードする遺伝子の多型が著しく、その影響でアルコール分解能が低い者が人口の約半数を占める。従って、日本人においてはこの遺伝子多型が、HCV感染に伴う肝がん発生にそれぞれ異なった影響を及ぼす可能性がある。 本研究はHCVによる肝がん罹患の個人差の原因を、ウイルス側の要因だけではなく、宿主のアルコール代謝に関する遺伝的感受性の観点から解明するための、hospital-based症例対照研究の手法を用いた分子疫学研究である。現在の進捗状況は概ね計画通りであり、(1)協力が得られた大学附属病院を受診したHCV感染者120名(症例:肝がん38名;対照:慢性肝炎82名)に対する質問票に基づいた面接調査、血液標本採取、(2)血液生化学とウイルスマーカーおよびGenotypeの測定、(3)遺伝子型の検出方法(PCR-RFLP法)の確立とすべての対象者におけるADH2とALDH2の遺伝子型の検出を終了した。 今後、引き続き、調査対象の収集及びサンプルの収集・測定を行い、データの最終集計および統計解析を行う予定である。
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