2004 Fiscal Year Annual Research Report
急性カドミウム中毒における好中球の動態とサイトカインの関与
Project/Area Number |
15590519
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Research Institution | Jichi Medical School |
Principal Investigator |
堀口 兵剛 自治医科大学, 医学部, 助教授 (90254002)
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Keywords | カドミウム / 好中球 / サイトカイン |
Research Abstract |
8週齢のメスのラットにカドミウム(3.0mg/kg)を一回皮下投与し、その後6、12、18、24時間目に屠殺して末梢血を採取した。それに加えて、無処置のラットから同様に末梢血を採取し、対照用のサンプルとした。そして、それらの全血中の白血球数を全自動血球計数装置で測定し、同時にMay-Giemsa染色をした塗沫標本を作成して白血球分画を計測し、それらの結果から末梢血中好中球数を算出した。その結果、末梢血中の好中球数は、6時間後から対照のラットに比較して2倍以上に増加し、さらに18時間後にはピークに達して約3倍までになることが観察された。また、それとは別に、ラットにカドミウムを(2.0mg/kg)を週に2回、3ヵ月間投与して同様に末梢血中の好中球数を計測した。対照用のラットには、同量の生理食塩水の投与を行なった。その結果、カドミウムを投与したラットでは対照のラットと比較して6倍以上に好中球が増加していることが観察された。これらの実験結果は、カドミウムには急性・慢性中毒のいずれの場合にも末梢血中好中球の増多を引き起こす作用のあることが明らかになった。 上記の結果は、カドミウムが好中球の産生に関与する種々のサイトカインに対して、何らかの作用を及ぼしている可能性を示唆するものである。好中球産生を促進するサイトカインには、G-SCF、GM-SCF、IL-3、IL-6などがあるが、そのうちGM-SCFについて、上記と同じ条件の急性カドミウム中毒ラットから採取した血清サンプル中濃度をELISAで測定したところ、GM-SCFは検出されなかった。
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Research Products
(2 results)