2003 Fiscal Year Annual Research Report
フローサイトメトリー法を応用した好中球活性酸素産生能の分析法の確立と活性評価
Project/Area Number |
15590524
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
町田 和彦 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (00111104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 克彦 早稲田大学, 人間科学部, 講師 (80344597)
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Keywords | フローサイトメトリー法 / 好中球 / 活性酸素産生能 / 貧食能 / サイトカイン / 蛍測定法 |
Research Abstract |
本年度は、今後実験動物を用いた種々の基礎的研究を進めるにあたって、まずラットの末梢血を用いた好中球の貧食能と活性酸素産生能をフローサイトメトリー法で測定する諸条件に関して基礎的検討を行った。まず貧食粒子としては黄色ブドウ球菌をfluorescein isothiocynate(FITC)で蛍光標識し、FITCの濃度依存性から貧食能測定における至的濃度(0.003%)を決定した。活性酸素産生能は、スーパーオキシドと反応するhydroethidine(HE)の濃度依存性より至的濃度(8μM)を決定した。さらにFITCとHEを異なる波長で検出することにより、同一細胞レベルで貧食能と活性酸素産生能の同時測定を可能にした。また従来用いてきたNBT還元法も同時に実施し、フローサイトメトリー法と測定結果を比較したところ、貧食能(r=0.8749)、活性酸素産生能(r=0.8452)ともに両測定法間で強い正の相関が認められた。以上の研究成果は、日本衛生学会で発表した(日本衛生学雑誌59:194,2004)。 またフローサイトメトリー法において検出蛍光波長を変えることにより複数の指標を同時に測定できる原理を応用して、血漿サンプルを用いて各種サイトカインの同時測定を行った。従来法の酵素免疫測定法(ELISA)に比べ、必要となるサンプル量と測定の手間は少なくて済み、測定レンジも大きいが、測定感度についてはELISA法の方が優れていることが確認された。以上の研究成果は、依頼原稿として掲載決定されていた論文(裏面)に新しい測定法による結果として追記し報告した。
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