2003 Fiscal Year Annual Research Report
女性癌患者と配偶者の性的適応に関する研究―夫婦の相関と経時的プロセス―
Project/Area Number |
15590539
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 都 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20322042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 民 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80323608)
東 靖宏 蓮田一心会病院, 院長(研究職)
甲斐 一郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30126023)
小池 眞紀子 目白大学, 人文社会学部, 助教授 (00337635)
大川 玲子 国立千葉病院, 産婦人科, 院長(研究職)
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Keywords | 悪性腫瘍 / セクシュアリティ / 質的研究 / カップル関係 / 乳がん / 婦人科がん |
Research Abstract |
平成15年度は、以下の3点について研究を実施した。 1.研究課題に関する文献検討 がん発病がカップルの人間関係やコミュニケーションに与える影響、及び、がん患者のパートナーの心理社会的・生理的反応に関して、包括的文献レビューを実施し、国内外で行われている同テーマの研究状況を把握した。 2.がん患者のパートナー対象の半構造化面接調査の準備 がん患者のパートナーの経験を探索的に明らかにする目的で半構造化面接調査を企画し、1.の文献検討を参考にして、インタビューガイドを作成した。調査にともなう倫理的配慮を検討して、東京大学医学部倫理委員会の承認を得た。首都圏近郊のがん患者会を中心に、面接協力者のリクルートを開始した。 3.平成16年度以降の縦断研究で用いる心理尺度の検討 平成14年度までに実施した乳癌患者対象の面接調査では、(1)発病前から性生活について言語的コミュニケーションをとっていたカップルは術後に性の問題が生じても率直に話し合って対処する、(2)カップルの性的結びつきを重視するカップルは術後の性的問題に対して静観ではなく積極的に解決を試みる傾向がある、という傾向が認められた。性に関する言語的コミュニケーションのあり方や、性的結びつきの重要視の程度をわが国の文化的背景から検討するため、関連文献のレビューを実施した。さらに、これらの概念を計量心理学的に測定するツールについて、国内外の既存の尺度を検討した。
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Research Products
(16 results)
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[Publications] 高橋都, 大川玲子, 金子和子, 甲斐一郎: "一般医療者向け「がん治療後の性相談」教育プログラムの開発と評価"日本=性研究会議会報. 15巻. 33-41 (2003)
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[Publications] 新垣円, 斉藤民, 高橋都, 甲斐一郎: "病院ボランティア活動に関するボランティア病院職員への意識調査"病院管理. 41(1). 55-64 (2003)
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[Publications] 高橋都, 大川玲子, 金子和子, 芽島江子, 渡辺景子, 渡邊知映, 甲斐一郎: "一般医療者向け「がん治療後の性相談」教育プログラムの実施報告:助産師の役割に着目して"助産雑誌. 58(3). 252-257 (2003)
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[Publications] 秋月百合, 高橋都, 斉藤民, 甲斐一郎: "不妊女性の経験するネガティブサポートに関する質的研究"母性衛生. (印刷中).
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[Publications] Akabayashi, A., Slingsby, B.T., Kai, I.: "Perspectives on advance directive in Japanese society -A population-based questionnaire survey"BMC Medical Ethics. 4(5). (2003)
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[Publications] 甲斐一郎: "社会老年学とソーシャル・サポート"学術月報. 56(2). 79-80 (2003)
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[Publications] 原田謙, 浅川達人, 齋藤民, 小林江里香, 杉澤秀博: "インナーシティにおける後期高齢者のパーソナル・ネットワークと社会階層"老年社会科学. 25(3). 291-301 (2003)
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[Publications] 小池眞紀子: "乳がん診療における心理療法の必要性"臨床看護. 29(7). 1045-1050 (2003)
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[Publications] Okamura H., Fukui S., Nagasaka Y., Koike M., Uchitomi Y.: "Psychoeducationa intervention for patients with primary breast cancer and patients satisfaction : an exploratory analysis"Breast Cancer Research and Treatment. 80. 331-328 (2003)
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[Publications] Fukui S., Koike M., Ooba A., Uchitomi Y.: "The Effect of a Psychosocial Group Intervention on Loneliness and Social Support for Japanese Woman With Primary Breast Cancer"Oncology Nursing Forum. 30(5). 823-830 (2003)
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[Publications] Mori M., Koike M., Uchitomi Y.: "Communication Skills Training for Japanese Oncologists on How to Break Bad News"Journal of Cancer Education. 18(4). 194-201 (2003)
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[Publications] 二宮淳, 黒住昌史, 長沼りん, 武井寛幸, 末益公人, 東靖宏: "Core Needle Biopsyで術前に診断し得た分泌癌とアポクリン癌の同時両側乳癌の1例 分泌癌とアポクリン癌の同時両側乳癌"埼玉県医学会雑誌. 38(2). 143-146 (2003)
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[Publications] 五十嵐清美, 武井寛幸, 末益公人, 黒住昌史, 内田和宏, 二宮淳, 長沼りん, 井上賢一, 田部井敏夫, 東靖宏: "腫瘤径31-50mmの乳癌に対する乳房温存療法の成績"乳癌の臨床. 18(3). 246-253 (2003)
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[Publications] 大川玲子: "若年女性のセックス・カウンセリング"女性心身医学. 8(3). 273-277 (2003)
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[Publications] 大川玲子: "婦人科がんとセックス・カウンセリング"産科と婦人科. 70(9). 1203-1208 (2003)
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[Publications] 甲斐一郎: "ジェンダー医学(高齢化における身体的・社会的性差)"芦田みどり(編),金芳堂. 193 (2003)