2003 Fiscal Year Annual Research Report
抗酸化物質と炎症反応指標・動脈硬化指標との関連:ベースライン調査
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15590544
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
中村 美詠子 浜松医科大学, 医学部・文部科学教官, 助手 (30236012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 実 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構, 果樹研カンキツ研究部, 主任研究官 (10355406)
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Keywords | カロテノイド / βクリプトキサンチン / βカロチン / 脈波速度 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
血清抗酸化物質と炎症反応指標及び動脈硬化指標との関連を明らかにすることを目的として、疫学調査を実施した。調査対象は平成15年度静岡県三ケ日町基本健康診査受診者及び三ケ日町役場職員健康診査受診者のうち、本研究に関するインフォームドコンセントが得られた者である。研究協力者は、基本健診受診者1,450人のうち、885人(協力率61.0%、以下住民)、職員健診受診者203人のうち、187人(協力率92.1%)であった。調査項目は生活習慣、既往歴、食品摂取頻度等(自記式調査票による)、血液検査(カロテノイド、高感度CRP、アポリポ蛋白等)、動脈の脈波伝播速度(form【○!R】、コーリンメディカルテクノロジー製)等である。血清は冷凍保存され、研究者(担当:杉浦)の精度管理のもとに、委託した外部検査機関で血清カロテノイドを測定している。本報告は、現在までに測定結果が得られた住民男性278人、女性528人に関する中間的な解析結果である。 動脈硬化の指標と考えられる脈波伝播速度(brachial-ankle pulse wave velosity : baPWV)は、女性に比べ男性で高く、男女ともに血清βカロテン、βクリプトキサンチン濃度と統計学的に有意な負の関連(年齢調整)を示した。この関連は、さらにBMI、血清総コレステロール、空腹時血糖、喫煙、飲酒、運動習慣を調整しても変わらなかった。また、baPWV高値の出現率は、血清βカロテン、βクリプトキサンチン濃度が低い群で高い傾向を認めた。今後全対象者の測定終了を待って、さらに多角的な検討を行う予定である。 なお、本研究は「日本産カンキツと糖尿病に関する栄養疫学研究」の一環として、浜松医科大学及び農業・生物系特定産業技術研究機構の倫理審査委員会の承認を受けて実施した。
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