2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590546
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石崎 達郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30246045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今中 雄一 京都大学, 医学研究科, 教授 (10256919)
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Keywords | 医療経済学 / 医療費 / 高齢者 / Gini係数 / Lorenz曲線 |
Research Abstract |
本研究では、先ずマクロ分析として、厚生労働省大臣官房統計情報部編集「社会医療診療行為別調査報告」を用いて、診療行為大分類(検査、画像診断、投薬、注射など)別にみた診療報酬明細書1枚あたりの請求点数(一件あたり点数)を、年齢階級間で比較し、高齢患者と非高齢患者とで医療資源の消費に違いがあるかどうか検討した。 次にミクロ分析として、調査協力が得られた医療機関を1996年1月から2000年12月末までの間に退院した全患者を対象に、入院医療費を高齢入院患者(65歳以上の入院患者)とそれ以外の非高齢患者とで比較した。さらに、Lorenz曲線やGini係数を用いた分析から、各年齢階級の医療資源消費における均等性を検討した。 1入院あたり総医療費(中央値)を年齢階級(5歳毎)で比較したところ、35-39歳(約33万円)から45-49歳(約61万円)にかけて急増していた。その後、55-59歳でピーク(約65万円)に達してからは、74歳までほぼ横ばいで、75歳以降は緩やかな減少傾向を示した(90歳以上:約54万円)。1入院あたり医療費総額を医療費項目別にみても、手術麻酔処置料や検査画像診断料、入院料他が35から44歳までの間で増加傾向にあったが、その後はほぼ横ばいとなっていた。 入院医療費総額の分布について、Lorenz曲線を作図したところ、医療費総額の約60%は、医療費が上位20%であった患者によって消費されていた。年齢階級別(10歳毎)にLorenz曲線をみたところ、入院医療費総額の分布における不均等性は類似していた。年齢階級別(10歳毎)のGini係数は、35-44歳で最も大きく(0.520)、74歳までは0.5を超えていたが、その後小さくなり、75-84歳で0.486、85歳以上では0.471であった。
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Research Products
(1 results)