2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590547
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
関 明彦 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20314685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 武彦 岡山大学, 教育学部, 助教授 (10291973)
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Keywords | 産婦人科 / 産科医療 / 医療施設分布 / 母子保健 / 過疎地域 / 地域医療 |
Research Abstract |
1 産科施設分布の可視化 全国の産科施設分布状況の可視化を行うとともに、岡山県下の産科分布の年次推移についても可視化した。その結果、過疎地域を中心とした産科施設の著減と、その結果としての、全国的な過疎地域における産科施設空白域の存在が明らかとなった。 2 産科施設利用者対象調査 過去3年間に出産された方1800名余を対象として、産科施設への通院やそれに伴う負担感などについてアンケート調査を行った。その結果、通院時間や通院に伴う負担感についての、都市部と過疎地域との著しい格差が明らかとなった。また、通院時間30分を境として、負担を感じる妊産婦が有意に増加することが明らかとなった。 3 産科施設対象調査 中国四国地方の産婦人科施設700施設余を対象として、診療状況や遠距離の通院をしている妊産婦への対応、見解などについてアンケート調査を行った。回答の得られた施設のうち約半数は分娩取扱いを行っておらず、そのさらに約半数は最近10年間に分娩取扱いを中止した施設であった。また、約5%程度の妊産婦が1時間以上の遠距離の通院をしているものと推定された。1時間を越える遠距離の通院は臨床的なリスクがあると考える医師が約半数を占め、特に、遠距離のために緊急時に対応が遅れる可能性を懸念していた。 4 まとめ 本研究を通じて、過疎地域における分娩取扱い施設が次第に減少している状況が明らかとなった。また、過疎地域の妊産婦は通院に際して負担、不安感を抱いていると同時に、産婦人科医側も遠距離通院には臨床的なリスクがあるものと懸念を抱いていた。しかし、同様の問題を抱える小児科救急医療ほどは、本問題は一般への認知度が高くないものと思われる。本研究の課題とした過疎地域の産科医療が抱える問題を広く一般に周知させるとともに、適切な医療施設配置実現に向けた取り組みが不可欠であると考えられる。
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