2004 Fiscal Year Annual Research Report
地域高齢者に対する運動の実践と住環境の整備を中心とした転倒予防活動の評価
Project/Area Number |
15590558
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Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
植木 章三 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 助教授 (00241802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳賀 博 東北文化学園大学, 健康社会システム研究科, 教授 (00132902)
橋本 美芽 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 助教授 (80347278)
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Keywords | 地域高齢者 / 運動 / 住環境 / 転倒予防 / 介入研究 / 身体機能 / 転倒率 |
Research Abstract |
本研究は、運動の実践に加え住環境の整備に対する意識向上、住宅改造への指導・支援という手法を加味した介入方法の転倒予防効果について検討することを目的としている。 1.平成15年度に試案した運動実践と住環境への意識向上による介入プログラムの導入:昨年度試案した介入プログラムを介入地区(米山町)の公民館や集会所で展開した。転倒予防教室は2月から7月の月に2回、隔週で開催した。地区の高齢ボランティアリーダーを併せて養成し、転倒予防教室の支援者として参加してもらった。さらに、各地区集会所での転倒予防活動のリーダーとしての活動を推進した(月に1回程度)。 2.住環境チェックリストの作成:昨年度実施した転倒と住環境に関する意識調査結果をもとに、転倒予防のための住環境チェックリストを作成した。チェック項目は、家の中で転倒の危険因子となる項目14項目をピックアップし、該当する項目数に応じて3段階の転倒危険度を提示する方式とした。これを地区の転倒予防活動に活用し、地域高齢者の住環境内の転倒危険因子に対する意識を高め、転倒予防につながるように活用した。 3.介入地区と対照地区のフォローアップ調査:宮城県北の米山町(介入地区)と大郷町(対照地区)の70〜84歳の高齢者(1709人と1400人)を対象として介入効果を検討するためのフォローアップ調査を行った。その結果、介入地区で過去1年間の転倒率が、23.8%から17.8%に(p<.0001)、対照地区においても23.9%から20.2%に(p<.05)、それぞれ有意な低下がみられたが、低下度は介入地区の方が大きかつた。特に介入地区では、転倒率が男女とも有意な低下を示した(男19.2%から14.3%、女26.7%から20.0%)。 以上のことから、転倒予防のための運動の実践と住環境への意識向上による介入プログラムを実践することが、地域高齢者の転倒発生率の低下に寄与する可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)