2003 Fiscal Year Annual Research Report
LOX-1とTNF-αは危険因子と独立し原爆被爆者の冠動脈疾患発症を予測し得るか
Project/Area Number |
15590570
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Research Institution | Radiation Effects Research Foundation |
Principal Investigator |
赤星 正純 財団法人放射線影響研究所, 臨床研究部, 部長(研究員) (30359450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸 信二 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (00136657)
今泉 美彩 財団法人放射線影響研究所, 臨床研究部, 科長(研究員) (10359466)
飛田 あゆみ 財団法人放射線影響研究所, 臨床研究部, 科長(研究員) (00359465)
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Keywords | 原爆被爆者 / 冠動脈危険因子 / LOX-1 / TNF-α / アディポネクチン / インスリン抵抗性 |
Research Abstract |
長崎成人健康調査集団を対象として行った調査 放射線影響研究所・長崎研究所では原爆の後影響を縦断的に調査する目的で、1958年より原爆被爆者7,564名(男性3,374名、女性4,190名)を対象として、2年に一度検診を行っている。1958年から2003年(平成15年)までに死亡したり、他市へ転居したりしたために平成15年度と16年度に受診が予定されている対象者はそれぞれ797名(男性270名、女性527名)および979名(男性343名、女性636名)である。この対象者で、問診、診察、身長・体重測定、血圧測定、一般検血、生化学検査(血清コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪、尿酸、血糖、CRP、インスリン)、腹部超音波検査、心電図検査、Lectin-like oxidized receptor-1(LOX-1)、TNF-α、アディポネクチン測定を行った。これらの測定結果および問診や診察に基づく臨床診断の情報は全てコンピュータに入力されている。また長崎県がん登録事業から得られた腫瘍に関する情報もコンピュータに入力されている。現在までに腹部超音波検査で診断した脂肪肝(シンドロームXのマーカー)が、冠危険因子(肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病)を集簇し、将来の冠動脈発症を予測する事、および脂肪肝は放射線被爆により増加することが判明した。来年度も長崎成人健康調査集団を対象として同じ測定を継続し、全ての情報をコンピュータに入力し、LOX-1およびTNF-αと脂肪肝および冠危険因子の関係についての解析に向けて準備を行う予定である。
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