2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規シリカ連続体を利用した法医鑑定試料中薬物のハイスループット分析に関する研究
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15590578
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
奈女良 昭 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (30284186)
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Keywords | モノリス / 薬物抽出 / 自動化 |
Research Abstract |
本研究は、分離カラムの新規充填剤として開発されたモノリス型カラムを利用し、生体試料中の薬物抽出への可能性について検討した。 1)他薬物抽出の検討 昨年度までに覚せい剤および有機リン系農薬の抽出について検討した。本年度は、それ以外の薬物の抽出について検討した。検討は、塩基性薬物、中性薬物、酸性薬物に分類して行った。各薬物を添加した尿に、pHの異なる緩衝液を添加することで回収率の変化を検討した。その結果、塩基性薬物はアルカリ性の緩衝液を、酸性薬物は酸性の緩衝液を添加することで回収率の向上が見られた。 2)有機リン系農薬の検討 フェニトロチオンなどの有機リン系農薬を添加して回収率の検討を行ったが、メチダチオンの回収率が悪かった。油水分配係数(log Po/w)や解離定数などが要因として考えられたが、決定的な理由としての裏付けは得られなかった。 3)自動化の検討 HPLCの試料導入部(オートサンプラー)にモノリス型カラムを挿入し、前処理から分析までの自動化を検討したが、製造ロットの違いでモノリスの脱離が見られた。原因としては、急激な圧力上昇が考えられた。また、カラムを接続に、濾過膜が内蔵されているフィッティングを利用するなどの工夫が必要である。 4)他臓器への応用 組織片や細胞膜が、カラム内で目詰まりを起こす原因となるので、濾過が不可欠であった。また、血清も固化したタンパクが目詰まりを起こす原因となるので、濾過が不可欠であった。
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