2004 Fiscal Year Annual Research Report
クローニング分析による混合斑痕からのミトコンドリアDNA解析法に関する研念
Project/Area Number |
15590580
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Research Institution | Faculty of Medicine (Miyazaki Medical College), University of miyazaki |
Principal Investigator |
瀬尾 泰久 宮崎大学, 医学部, 助教授 (80187830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯川 修弘 宮崎大学, 医学部, 教授 (30240154)
高見 恭成 宮崎大学, 医学部, 助教授 (80236356)
柿崎 英二 宮崎大学, 医学部, 助手 (70284833)
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Keywords | 個人識別 / DNA多型 / ミトコンドリア / mtDNA / シークエンス / クローニング / PCR |
Research Abstract |
ミトコンドリアDNA(mtDNA)は環状2本鎖構造であり、相同染色体よりなる核DNAとは異なり、mtDNAのPCR産物は通常単一なmtDNA配列に由来する。従って、STR解析などでは分別が困難な混合斑痕の場合、mtDNAのPCR産物を大腸菌にクローニングすることによって、混入しているものを容易に識別することができる。本年度は、3名ないし2名の唾液、或いは血液をそれぞれ1から5マイクロリッターの範囲で混合した混合斑痕を9サンプル(計26名)作成し、そこから抽出したDNAを用いて通常通りmtDNA型判定を行ったあと、そのPCR産物を大腸菌にクローニングした。次いで、コロニーPCR法とダイレクトシークエンス法を使って混入したmtDNA型判定が可能か否かについて検討した。その結果、混合斑痕を通常のmtDNA型判定法で判定した場合、個人間で変異の見られる箇所に重複したピークが複数観察され、シークエンスのエレクトロフェログラムを詳細に読み取ることによって混合斑痕か否かの鑑別が可能であったが、それがどのようなタイプを示すのか、また何人に由来するのかなどの識別は困難であった。次いで、得られたPCR産物をT-ベクターに組み込み、大腸菌にクローニングして、任意に約20クローンを選びシークエンス解析を行うと、混入したmtDNAのタイプの識別が可能であった。しかし、検出されるクローンの数は必ずしも量比に関連しておらず、多量のサンプルを混入したにもかかわらず、全く検出されない場合があることが確かめられた。このことから、例え複数の人物に由来する混合瘢痕をクローニング法で分析したとしても、混入した人数及びそのmtDNAタイプが正確に判定できるとは限らないことが明らかとなった。また、この検出困難なものは、特定の傾向を持つmtDNAタイプ(C連続タイプ)に偏在していることが示唆された。
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