2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変動物を用いたABO血液型物質に対する抗体産生機序の解明
Project/Area Number |
15590586
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Research Institution | Jichi Medical School |
Principal Investigator |
岩本 禎彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (10232711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀崎 豊実 自治医科大学, 医学部, 講師 (90316513)
奥田 浩 自治医科大学, 医学部, 助教授 (50285772)
熊田 真樹 自治医科大学, 医学部, 助手 (40326830)
近江 俊徳 自治医科大学, 医学部, 助手 (40296091)
福井 えみ子 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (20208341)
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Keywords | ラットABH抗原 / トランスジェニックラット / ラットABOオーソログ / 遺伝子多型 / 移植抗原 |
Research Abstract |
Wistar系ラットへヒトAおよびB糖転移酵素遺伝子を導入して、AトランスジェニックならびにBトランスジェニックラットを樹立したが、ラット臓器のなかで最も著明にABH抗原の発現を認めた小腸を移植片として、これらのラットとwild Wistarの3系統間で、移植実験を行った。その結果、AおよびBトランスジェニックラットをレシピエントとした場合に最も激しい移植片の拒絶が起こることが判明した。また、合成A糖鎖抗原に対する抗体産生の上昇も起こることを認め、AおよびB抗原ならびにAおよびB糖転移酵素遺伝子の異所性発現に伴う新規抗原が、ヒトはラットにおいて強力な移植片拒絶抗原として機能していることを窺わせる結果となり、作成したAおよびBトランスジェニックラットは、ABOミスマッチ移植のモデル動物として極めて有用な動物になりうることが明らかになった。また、トランスジェニックラットでは合成A抗原に対する自然抗体を保有していることが明らかになり、この抗体産生機序を明らかにするために、wildおよびBトランスジェニックラットにおける胎生期におけるABH抗原発現の免疫組織学的解析を行った。さらに、以前明らかにしたラットの4種類のABOオーソログcDNAを昨年明らかになったラットゲノムシークエンスにマッピングした結果、ラットでは、1番染色体に1クローン、3番染色体に3クローンがマッピングされた。従って、ヒトと異なりラットではABOホモログが多重遺伝子として機能していたことが明らかになり、ヒトにおけるABO血液型多型の起源を推定するための重要な足がかりとなった。これらの経験に基づき、他の遺伝子多型を示す遺伝子についてもトランスジェニック動物作製する準備を進め、最近、独自に見いだした高血圧関連候補遺伝子の過剰発現マウスとノックアウトマウスを作製のためのベクターを開発した。
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Research Products
(6 results)