2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590591
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
林田 真喜子 日本医科大学, 医学部, 講師 (60164977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁平 信 日本医科大学, 医学部, 助教授 (40089636)
大野 曜吉 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70152220)
山本 保博 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70125079)
横田 裕行 日本医科大学, 医学部, 助教授 (60182698)
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Keywords | 脳死判定 / 中枢性薬物 / ベンゾジアゼピン系薬物 / LC / MS(液体クロマト質量分析) / GC / MS(ガスクロマト質量分析) / 生体試料 / スクリーニング / 薬物濃度 |
Research Abstract |
脳死判定に影響を与える可能性のある薬物について,ベンゾジアゼピン系薬物のミダゾラム,ジアゼパム,フルニトラゼパム,抗不整脈薬のベラパミルならびにそれぞれの活性代謝物についてはLC/ESI/MSを,全身麻酔剤のプロポフォール,ドロペリドール,筋弛緩剤の塩酸ベクロニウム,抗痙攣薬のチアミラールについてはGC・MSを用いたスクリーニング法を最適化し,脳死薬物スクリーニングとして確立した.前処理法は,1)ジクロルメタン酸性,中性・塩基性抽出,2)1-クロロブタンによる抽出(pH9)を検討した.救命救急センター(CCMC)に入室した患者のうちイムノアッセイ陽性の24例について,脳死薬物スクリーニングを実施し,一般薬物スクリーニングの他に脳死薬物スクリーニングを実施することが有効であることを確認した.CCMCでミダゾラム持続静注の治療を受けた患者9例の治療停止後のミダゾラムならびにその活性代謝物の血中濃度を測定した結果,ほとんどの症例は治療停止後2日以内に血中濃度は治療濃度以下となった.加えて,トリアゾラムとベラパミル中毒の剖検試料中濃度を測定,トリアゾラムとベラパミル中毒剖検例の体内分布を明らかにした.また,複数のベンゾジアゼピン系薬物中毒(ニトラゼパム,フルニトラゼパム,エチゾラム,トリアゾラム)の剖検例での体内分布を明らかにした.これらの剖検例では中毒以外の死因であったが,血中濃度からはいずれの薬物も死亡時に影響を与えたものと思われた.従来より中毒死剖検例の体内分布については報告が多いが,治療レベルでの死後の薬物体内分布は本法のような微量分析法を用いなければ明確にはし得なかったと考えられる.以上のよう,にさまざまな試料を用いて多角的に症例検討を行った結果,本研究で確立した脳死薬物スクリーニングは臨床法医中毒学上有用であることが示された.
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