2004 Fiscal Year Annual Research Report
心身症モデル動物を用いた情動的ストレス時での脳・心臓連関の解明
Project/Area Number |
15590603
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Research Institution | Wakayama Medical University, School of medicine |
Principal Investigator |
上山 敬司 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (50264875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽野 卓三 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (90156381)
鶴尾 吉宏 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (90207449)
白澤 信行 山形大学, 医学部, 助教授 (40133392)
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Keywords | たこつぼ型心筋症 / エストロゲン / 動物モデル / 心臓 / 脳 / 情動的ストレス / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
「たこつぼ型心筋症」は、急性心筋梗塞に類似した疾患であり、閉経後の女性が強い情動的ストレスに暴露された時に発症する。1990年に我が国で発見され、ようやく最近、国際的に認知されたが、その病因は臨床的な推論の域を出ない。私どもは、ラットの情動的ストレスモデルを用いて、この病態を忠実に再現し、ストレスによる交感神経-副腎髄質系の活性化、カテコラミンの刺激が原因であり、エストロゲンがストレスの作用を緩和することを前年度までに明らかにした。本年度はエストロゲンの効果を再確認するとともに、immediate early gene(IEG)発現を指標に、心臓、脳での作用部位と機序を検討した結果、 1)左心室機能を心エコー法により、非侵襲的に再評価した。その結果、左心室造影法と同様の結果、すなわち卵巣摘除(OVX群)群ではストレス時に左心室収縮能が低下したが、エストロゲン補充ラット(OVX+E群)では、ストレス時の左心室収縮能の低下が有意に抑制された。 2)心臓でのc-fos mRNAの発現をin situ hybridization法とreal-time RT-PCR法で評価したところ、OVX+EではOVXに比べて、有意にc-fos mRNAレベルが低下した。つまり、エストロゲンは心筋のストレスへの反応性を低下させることが確認された。 3)Paraventricular hypothalamic nucleusでのc-fos mRNAレベルも、同様にOVX+EではOVXに比べて、有意に低下した。 4)c-Fos免疫陽性反応を指標とした、中枢神経系の詳細なmappingでは、lateral septum, paraventricular hypothalamic nucleus, dorsomedial hypothalamic nucleus, medial amygdaloid nucleus, lateral periaqueductal gray, laterodorsal, tegmental nucleus, locus coeruleusでは、OVX+E群でc-Fos免疫陽性反応が有意に少なく、paraventricular thalamic nucleus and nucleus of the solitary tractでは有意に多かった。これらの部位には、エストロゲン受容体も分布することが分っており、エストロゲンレベルの変化により、ストレス時のこれら特定の領域の神経細胞の反応性が修飾されることが示唆された。
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Research Products
(6 results)