2004 Fiscal Year Annual Research Report
機能性ディスペプシア病態生理の解明と総合的評価法および治療法の確立
Project/Area Number |
15590608
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
金子 宏 愛知医科大学, 看護学部, 教授 (60214467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小長谷 敏浩 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60298594)
山口 力 愛知医科大学, 医学部, 助手 (70288538)
今村 祐志 愛知医科大学, 医学部, 助手 (90329780)
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Keywords | バロスタット / 知覚閾値 / 過敏性腸症候群 / QOL / 呼気テスト / 口-盲腸通過時間 / SF-36 / 脳血流量 |
Research Abstract |
1.バロスタットを用いた直腸知覚閾値測定法の確立、および機能性胃腸障害における直腸知覚閾値の解析 (1)健常男性ボランティアにバルーンを直腸に挿入し、バロスタットで調整された任意の圧における痛み閾値をvisual analog scaleで評価し、4週間あけて2回測定した。その結果、痛み閾値は全例で測定でき、再現性も良好であり、直腸知覚閾値測定法が確立できた。 (2)機能性胃腸障害の代表的疾患である過敏性腸症候群(IBS)と診断された外来通院中の下痢型IBS男性症例の直腸知覚閾値は、健常ボランティアと比較して有意に低値であった。 (3)下痢型IBS患者に治療薬であるポリカルボフィルを常用量投与して、その前後でQOL(SF-36、GSRS)、直腸知覚閾値、直腸コンプライアンスを評価した。薬剤投与により症状、QOLの改善と一部の症例で知覚閾値・コンプライアンスの上昇がみられることを明らかにした。研究は倫理委員会の承認と被検者の同意を得て実施し、被検者には謝金を支払った。成果はIBS関連研究会(10月:記録集発刊)で発表し、17年4月の日本消化器病学会総会で発表予定である。 2.呼気テストを用いた小腸通過時間測定検査法の確立(継続) 平成15年度に^<13>C呼気テストによって胃排出能と口-盲腸通過時間(OCTT)が標準RI法と比較して、安定・正確に同時測定可能であることを明らかにした。本年度は、OCTT測定様の試薬で呼気テストとRI法を比較して、胃排出測定用の呼気テスト試薬の影響がないことを確認した。17年4月の日本消化器病学会総会で発表(パネルディスカッション)予定である。 3.難治性機能性胃腸障害症例での心身医学的診断・治療の確立:対象症例をリクルート中である。 4.IBSにおける直腸拡張刺激時の脳血流量(PET)変化と心理ストレスの影響を検討するために、設備・装置・多施設共同研究体制の整備をほぼ完了した。平成17年度から開始可能である。
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Research Products
(7 results)