2005 Fiscal Year Annual Research Report
高分子ヒアルロン酸を用いた免疫学的肝細胞障害の治療法の研究
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15590613
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
中村 公英 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (20217839)
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Keywords | Concanavalin A / 免疫学的肝障害 / サイトカイン / ケモカイン / 高分子ヒアルロン酸 / 多糖体 / Fucoidan / 免疫学的寛容 |
Research Abstract |
今年度の研究期間において以下の研究成果が得られた。 1、Concanavalin A(Con A)マウス肝炎モデルはCXCケモカインであるMacrophage inflammatory protein-2(MIP-2)が好中球の遊走活性化を介して肝障害を増悪させる。一方、マウスCCケモカインであるMIP-1αがKupffer細胞から産生され、TNF-αやIFN-γなどの炎症性サイトカイン産生を促進し、肝障害発症に関与していることを明らかにした。 2、Con A肝炎モデルを用いてサイトカインやケモカイン産生抑制の面から肝障害発症を阻止しうる薬剤の検討を行った。その結果、細胞外マトリックスである高分子ヒアルロン酸のほか、海藻由来の多糖体であるFucoidanがCon A肝障害を抑制することを明らかにした。 3、FucoidanのConA肝障害抑制機序として、Kupffer細胞から抗炎症性サイトカインであるIL-10産生を促進し、TNF-αやIFN-γなどの炎症性サイトカイン産生を抑制することを明らかにした。また、Kupffer細胞へのFucoidanの作用はMacrophage scavenger receptor Aを介することが示唆された。 4、Con Aを繰り返し投与すると免疫学的寛容現象出現し、その機序としてTh-1サイトカインからTh-2サイトカインへサイトカイン産生がシフトすることを明らかにした。また、このサイトカイン産生シフトが脾細胞のTリンパ球レベルで生じ、免疫学的寛容動物の脾細胞の移入により、正常マウスにおいて免疫学的寛容が誘導できることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)