2003 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患自然発症動物モデルを用いた炎症性腸疾患の病態解析と治療への応用
Project/Area Number |
15590617
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
渡辺 純夫 秋田大学, 医学部, 教授 (20138225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田嶋 傑 秋田大学, 医学部, 医員(臨床)
大高 道郎 秋田大学, 医学部, 講師 (30250872)
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Keywords | サイトカイン / サイクリックAMP / アデノシン |
Research Abstract |
これまで我々は、アデノシンA2A受容体を介した、各種免疫担当細胞内のサイクリックAMP調節による炎症反応制御機構に関して、in vivo、in vitroの検討をおこなっている。in vitroの系では、マウス腸間膜リンパ節より分離培養したCD4陽性リンパ球を用いた実験にてアデノシンA2A受容体を介したシグナル伝達がtumor necrosis factor(TNF)、interferon gamma(IFN)などの炎症性サイトカイン発現を抑制し、またCD4陽性リンパ球の増殖を抑制することによりTh1免疫応答の特異的制御に働くことを明らかにしつつある。 また動物を用いた実験ではアデノシン受容体アゴニストであるATL-146e、その下流のシグナルの調節因子であるフォスフォジエステラーゼ阻害薬(rolipram)による、胃、肝臓など各種消化器疾患モデルにおける効果を検討している。アスピリン、インドメタシン、水浸拘束ストレスによる胃粘膜傷害モデルを用いた検討では、アデノシンA2A受容体アゴニスト、4型フォスフォジエステラーゼ阻害薬は胃粘膜における好中球浸潤のマーカーであるミエロペルオキダーゼ活性、炎症性サイトカインTNF-α、IL-1β発現を抑制することにより胃粘膜傷害を抑制した。チオアセトアミド誘発肝障害モデルにおいてはTNF-α、IL-1やCXCケモカインのひとつであるGRO/CINC-1の発現を抑制により肝障害を抑制した。炎症性腸疾患自然発症モデルは現在腸管の炎症の程度、サイトカイン発現について基礎的検討中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 仲村智恵子, 大高道郎, 小田嶋傑, 神万里夫, 堀川洋平, 渡辺純夫: "Rolipram, a specific typeIV phosphodiesterase inhibitor, amelioprates in dpmethacin-induced gastric mucosal injury in rats"Pathophysiology. 9. 195-200 (2003)