2004 Fiscal Year Annual Research Report
核内レセプターアンタゴニスト投与による肝癌予防と再発制御
Project/Area Number |
15590624
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森屋 恭爾 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (00272550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 良澄 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80261965)
藤江 肇 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (90332577)
三好 秀征 東京大学, 医学部附属病院, 医員
堤 武也 東京大学, 医学部附属病院, 医員
小池 和彦 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80240703)
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Keywords | HCV / インスリン抵抗性 / 脂質代謝 / 核内レセプター |
Research Abstract |
1)糖質代謝とHCVの関連は以前より疫学的に示されていたが、HCV CORE蛋白発現マウスにおいて高インスリン血症を示す事、またこのインスリン抵抗性は主に肝性インスリン抵抗性であって末梢筋肉の関与がほとんどみられない事、また高脂肪食によって糖尿病の発症が認められる事をマウスモデルを用いて世界で初めて示した。HCVによる直接的な糖質代謝変化を示した。 2)HCVによる肝発癌因子としてアルコール摂取が知られているが、マウスモデルによってROS産生増加とともにp38MARKとERKの活性増加がcore蛋白とアルコールの共存によって引き起こされる事を初めて示した。アルコール単独、core単独では両者の活性増加は認められずHCVとアルコールの共存が肝発癌に体する相乗効果となりうることを示した。 3)HCV core蛋白はRXRαのDNA領域と結合し、それに伴ってRXRαとDNAの結合性が上昇する事、細胞内ではRXRαによって転写調節される遺伝子発現がHCV coreによって増強される事をみいだしている。 4)今回新たにC型肝炎ウイルスによる脂質代謝への関与を検討する目的でHCVおよびHBV感染症例のapolipoprotein profileを解析した。その結果HCV感染症例中のapolipo蛋白B, CII, CIIIがHBV感染症例と比較し低下している事を示し、HCVが直接的に脂質代謝を変化させていることを示した。 5)コア蛋白質がプロテアソームアクチベーターの一つである、PA28γと特異的に結合することを証明しHCVによる肝癌発症機構にプロテアソームとウイルス蛋白質の相互作用の関連を示唆した。 6)RXRαのantagonist, agonistおよび他の薬剤をマウスに投与し、脂質代謝、糖代謝の改善が見られる薬剤を糖尿病および肝発癌抑制薬の指標としてのスクリーニングを開始し複数の新薬候補を見いだしつつある。
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[Journal Article] Prevalence of measles, rubella, mumps, and varicella antibodies among healthcare workers in Japan2004
Author(s)
Hatakeyama S, Moriya K, Itoyama S, Nukui Y, Uchida M, Shintani Y, Morisawa Y, Kimura S.
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Journal Title
Infect Control Hosp Epidemiol 25(7)
Pages: 591-594