2003 Fiscal Year Annual Research Report
TNFRノックアウトマウスを用いた炎症性腸疾患の免疫学的発生機序に関する検討
Project/Area Number |
15590635
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
加藤 則廣 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教授 (40224521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森脇 久隆 岐阜大学, 医学部, 教授 (50174470)
清島 満 岐阜大学, 医学部, 教授 (10171315)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / 実験的大腸炎モデル / TNF / TNFRノックアウトマウス / NF-κB |
Research Abstract |
潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患の成因は、何らかの免疫学的機序の関与が推察されているが未だ明らかでない。今回は主としてノックアウトマウスを用いて実験的大腸炎モデルを作成して、免疫学的な面から病態に関する検討を開始した。まず最初は、実験的大腸炎モデルの作成に必要なトリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)の投与量について検討を行った。その結果、安定して大腸炎モデルが作成できる投与量を見いだした。ついでWild typeとともに2種類のTNFリセプター(TNFR)のノックアウトマウス(KO)であるTNFR-1 KOマウスとTNFR-2 KOマウスにそれぞれTNBSの投与を行って実験的大腸炎モデルを作成して、3群間での大腸炎の発生状況の違いを検討中である。現在の検索事項は病理学検索を基本として各種の免疫組織染色などを行って検討を進めている。現段階ではTNFR-1 KOマウスとTNFR-2 KOマウスでは明らかな差異がみられ、大腸炎の発生にはリセプターの差が免疫学的機序における関与に大きな要素を占めていると推察さる。今後はさらに、大腸炎モデルにおいて誘導されたTNF-α,IL-6などの各種のサイトカインと細胞内核転写因子であるNF-κBなどの発現について測定を行い、TNFに関連した免疫学的側面から大腸炎モデルにおける炎症の程度との関連性について検討を加える予定である。
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