2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規HBV遺伝子組み込みアデノウィルスを用いたB型肝炎の発症機序の解明
Project/Area Number |
15590639
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
村田 一素 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (40345971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白木 克哉 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (90263003)
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Keywords | NKT細胞 / NK細胞 / CD1dレセプター / アデノウィルス |
Research Abstract |
HBV組み込みアデノウィルス(adeno-HBV)は、コントロールウィルス(adeno-GFP)に比較し、BALB/cマウスへの静脈投与により、投与5日目にマウス血清HBs抗原の上昇を認めた。肝内NK細胞は投与1日後に両アデノウィルスにおいて上昇するが(アデノウィルスそのものによる効果と考えられる)、adeno-GFP投与マウスにおいては、その後徐々に低下していくのに対しadeno-HBV投与マウスにおいてはHBs抗原の上昇に一致する投与5日後に再びNK細胞数が増加した。肝内CD1d-tetramer陽性細胞はadeno-GFP投与マウスにおいては投与後一旦低下し3日目には前値に戻るのに対しadeno-HBV投与マウスにおいてはCD1d tetramer陽性細胞は低値にて持続した。Yac-1細胞を用いたNK細胞障害活性はNK細胞数に比例するように両ウィルス投与にて投与1日後は一旦活性が高値となりadeno-GFP投与マウスにおいてはそのまま低下していくのに対しadeno-HBV投与マウスにおいては投与5日後に再び活性が高値となった。また、adeno-HBV投与マウスにおいてはその時期に一致してマウス血清ALT(alanine aminotransferase)値が上昇した。投与1日後の変化は両ウィルス投与にて認められたためアデノウィルスによる変化と考えられたが、投与5日目ではadeno-HBVおよびadeno-GFPにおいて差が認められたためHBVそのものによるものと考えられた。また、一方、脾内リンパ球を用いた場合、adeno-GFPおよびadeno-HBV間で差は認めなかった。Adeno-HBVをCD1dノックアウトマウスに投与したところ、上記のような投与5日目のNK細胞数の増加またはNK細胞障害活性は消失した。以上より、HBVはCD1dレセプターを介してNKT細胞を活性化しさらにNK細胞を活性化させることが明らかとなった。
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