2004 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌分子診断と化学療法剤感受性の検討-テーラーメード治療の確立を目指して-
Project/Area Number |
15590648
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
河本 博文 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (60359883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白鳥 康史 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70196624)
白羽 英則 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (40379748)
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Keywords | 膵臓癌 / 遺伝子異常 / 細胞増殖 / 癌転移 |
Research Abstract |
本年度は特に、消化器癌の遺伝子異常のうちこれまでにあまり検討されていなかったRUNX3の膵臓癌における発現と、その膵臓癌の悪性度への関与についてのin vitroの検討を中心に行った。RT-PCRによる検出では、膵臓癌細胞細胞cell line(QGP-1)においてはRUNX3の発現が認められ、(KP-1N, KP-3)では発現が認められなかった。他の消化器癌細胞におけるRUNX3の発現は大腸癌細胞cell line HT-29では発現が見られず、SW480では発現していた。RT-PCRによりクローニングしたRUNX3を用いて発現ベクターを構築し、更にHisタグ、GFPタグを付加した。更にデキサメタゾンによりコンディショナルに遺伝子発現をコントロール可能なようにMMTVプロモータを組み込んだ。RUNX3遺伝子は細胞内に導入し、ハイグロマイシンを用いて遺伝子導入細胞を選択した。ウエスタンブロットによりRUNX3の発現制御を確認した後、細胞数の変化を評価した。RUNX3発現細胞では72時間後にコントロールと比較して細胞数が約20%減少していた。アネキシンV抗体を用いたフローサイトメトリーでアポトーシスを評価したところ、RUNX3発現細胞ではアポトーシスが全細胞数の約20%で起こっていることが確認された。引き続き膵臓癌におけるRUNX3及び遺伝子の異常とその機能について解析を行い、悪性度との関連及び抗癌剤感受性との関連についての検討を継続する予定である。
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