2003 Fiscal Year Annual Research Report
正常肝、慢性肝炎、肝硬変、肝細胞癌におけるプロテオーム解析
Project/Area Number |
15590654
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
正木 勉 香川大学, 医学部, 助手 (30335848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒河内 和貴 香川大学, 医学部, 助手 (10294753)
渡邊 精四郎 香川大学, 医学部, 助教授 (00158635)
栗山 茂樹 香川大学, 医学部, 教授 (50244710)
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Keywords | Shc / 肝癌 / LECラット |
Research Abstract |
二次元電気泳動を用いたプロテオソーム解析より、肝癌の動物モデルであるLECラットおいて、癌化に伴い増強する候補蛋白の一つとして、アダプター分子の一つであるsrc homology and collagen (Shc)を見いだした。さらに、LECラットの2ヶ月の正常肝、6ヶ月の慢性肝炎と比べ12ヶ月の肝癌において、Shcのアイソフォームのうちp46Shcとp52Shcのタンパク質レベルが増強することをWestern blot法により確認した。またp46Shcは、免疫染色法により、癌細胞の核に特異的に強発現していることがわかった。一方ヒトにおいても正常肝、慢性肝炎、肝硬変、肝癌におけるShcの発現を検討したところ、悪性化に伴い、p46Shcとp52Shcのタンパク質レベルが増強し、さらにチロシンリン酸化も亢進していることがわかった。免疫染色法により、癌細胞においては、Shcが核に強く染色され、それが、p46Shcであることも示すことができた。また肝癌細胞においてもp46Shcとp52Shcは強くチロシンリン酸化を受けていた。肝癌細胞の核に存在しているp46Shcは、高分化肝癌に較べ未分化肝癌において、より増強していた。さらに核に存在しているp46Shcは、肝癌患者の、予後因子のマーカーになり得ることが明らかとなった。 現在、肝癌細胞において、核に存在しているp46Shcが、どんなタンパク質と結合しているかをプロテインアレイを用いて、検索中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Masaki T, Shiratori Y, Rengifo W, 9 Others.: "Cyclins and cyclin-dependent kinases : comparative study of hepatocelliular carcinoma versus cirrhosis."Hepatology. 37. 534-543 (2003)
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[Publications] Masaki T, Igarashi K, Tokuda M, 11 Others.: "pp60c-src activation in lung adenocarcinoma."Eur J Cancer. 39. 1447-1455 (2003)
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[Publications] Yuji J, Masaki T, Yoshida S, 9 Others.: "Identification of p46Shc overexpressed in hepatoccellular nuclei with high proliferative activity : study of regenerating rat liver"Int J Mol Med. (In press). (2003)
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[Publications] Morishita A, Masaki T, Yoshiji H, 14 Others.: "Reduced Expression of Cell Cycle Regulator p18^<INK4C> in Human Hepatocellular Carcinoma."Hepatology. (In press). (2003)
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[Publications] Kurokohchi K, Masaki T, Arima K, 8 Others.: "CD28-negative CD8-positive cytotoxic T lymphocytes mediate Hepatocellular damage in hepatitis C virus infection."J Clin Immunol. 23. 518-527 (2003)
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[Publications] 正木 勉, 黒河内和貴, 舟木利治ほか14名: "肝細胞癌におけるmyristoylated alanine-rich C kinase substrate (MARCKS)の局在とリン酸化"医学と薬学. 49. 208-210 (2003)