2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590656
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Research Institution | Kochi Univasity |
Principal Investigator |
西森 功 高知大学, 医学部附属病院, 講師 (30237747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 保 高知大学, 医学部, 助手 (50226990)
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Keywords | 炭酸脱水酵素 / 炭酸脱水酵素関連蛋白 / 大腸癌 / 消化管間葉系腫瘍 / 肺癌 / 浸潤 / 増殖 / マクロアレイ |
Research Abstract |
1、培養大腸癌細胞(Lovo)に炭酸脱水酵素関連蛋白(carbonic anhydrase-related protein ; CA-RP)VIII遺伝子を移入し、同蛋白の強制発現細胞株(Lovo-CA8)を作製した。Rea1-time RT-PCRおよび免疫細胞染色により、Lovo-CA8ではLovoに比べCA-RP VIIIのmRNAおよび蛋白発現が増強している事を確認した(mRNA発現は10.25倍)。 2、LovoおよびLovo-CA8細胞のin vitroでの増殖能をMTTアッセイにて検討した結果、培養24時間および48時間後において、Lovoに比べLovo-CA8の細胞数が有意に多かった(p<0.05)。また、in vitroでの浸潤能をChemotaxis chamberを用いて検討した結果、Lovoに比べLovo-CA8の浸潤細胞数が有意に多かった(p<0.05)。 3、LovoおよびLovo-CA8細胞3x10^6個をヌードマウス(6週齢、雌、n=5)の背部に移植し、経時的に腫瘍径を測定した。その結果、移植後1-3週間の観察期間において、Lovoに比しLovo-CA8の腫瘍径が有意に大きかった(p<0.05)。 4、LovoおよびLovo-CA8細胞からmRNAを抽出し、マイクロアレイにより2万個の遺伝子の発現変異をスクリーニングした(AceGene)。発現変異の見られた遺伝子のうち、Na^+/K^+/Cl^- cotransporter(CA-RP VIIIにより3.75倍発現増強)、Annexin I(0.04倍発現低下)、laminin β3 subunit(0.19倍発現低下)について発現の変異をreal time PCR法により確認した。 5、CA-RP VIIIの発現を肺癌組織で免疫染色法により検討した結果、正常では肺胞繊毛上皮細胞にのみ弱い発現が見られたのに対し、扁平上皮癌の75%(n=24)、腺癌の68%(n=25)では浸潤先端部において強い発現が確認された。また、培養肺癌細胞株(PC9)にCA-RP VIII遺伝子導入により同蛋白の強制発現細胞株(PC9-CA8)を作製し、in vitroでの増殖能をMTTアッセイにて検討した結果、PC9-CA8ではPC9に比べ増殖能の増強が見られた。 6、以上の結果より、CA-RP VIIIは癌細胞の増殖能および浸潤能を増強することが示された。
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Research Products
(8 results)