2004 Fiscal Year Annual Research Report
B型肝炎ウイルスgenotypeの臨床的意義の検討
Project/Area Number |
15590671
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Research Institution | NAGOYA CITY UNIVERSITY |
Principal Investigator |
溝上 雅史 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40166038)
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Keywords | HBV / genotype / 臨床像 / 分子進化学的解析法 / X-C領域 |
Research Abstract |
B型肝炎ウイルス(HBV)は世界中で約3億6千万人の感染者が存在し、年間百万人がHBVによる肝細胞癌で死亡し、世界における死亡原因の第9位であるが現在までその治療法は確立されていない。 近年HBVはその塩基配列の違いからAからGまでの7つの遺伝子型(genotype)に分類可能となった。さらに、各々のgenotypeにより臨床像が異なることが明らかになり、その異なる臨床像の原因の解明が治療に応用出来るのではないかと考えられている。そこで、このHBVのgenotypeの臨床像の違いをすでに世界中から集めたHBsAg陽性血清からHBV DNAを抽出し、我々が開発したgenotyping法を使用してgenotypeの決定と各々のgenotypeの塩基配列の違いを明らかにする目的で検討を行った。 その結果、我々が開発したgenotyping法で約10%が判定不能になったがdirect sequence法で全塩基配列を決定し、各種の分子進化学的解析法で解析した。 そして決定したgenotypeとすでに入手している臨床データを比較・検討したところ、HBV genotypeは世界的に異なる分布を示し、世界的に異なる臨床像と一致した。そして、それはHBV DNAのX-C領域における各genotypeの遺伝子変異の頻度の違いであることが明らかになった。今後この違いが何によるのかを明らかにし、さらにそれを目的とした治療法を確立する必要があると思われた。
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Research Products
(10 results)