2003 Fiscal Year Annual Research Report
新しいセリンプロテアーゼを介するアポトーシスと細胞内シグナル伝達機構の解析
Project/Area Number |
15590682
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
中山 伸朗 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (40292015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名越 澄子 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (50306271)
持田 智 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (20219968)
松井 淳 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (40260484)
稲生 実枝 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70286037)
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Keywords | アポトーシス / HepG2細胞 / エタノール / アセトアミノフェン / セリンプロテアーゼ |
Research Abstract |
細胞内シグナル伝達におけるセリンプロテアーゼの役割の解析 エタノールとアセトアミノフェンはそれぞれ単独でHepG2細胞において用量、時間依存性にアポトーシスを増加させた。これらのアポトーシスは、セリンプロテアーゼ阻害剤のTLCKにより有意に抑制されたが、他のセリン・プロテアーゼ阻害剤、TPCKやTAMEに抑制効果は認めなかった。カスパーゼ-3、-9の活性は、エタノール処理後32時間後まで増加を続けた。アセトアミノフェン処理後にもカスパーゼ-3、-9は同様に活性化された。 エタノールをHepG2細胞に作用させると開始から72時間後までミトコンドリアの膜電位がエタノールの用量、時間依存性に低下した。一方アセトアミノフェン処理後には、24時間でミトコンドリアの膜電位の低下は、プラトーに達した。エタノール又はアセトアミノフェンで処理後にHepG2細胞のミトコンドリア膜電位の低下はTLCKにより有意に抑制された。HepG2細胞をエタノール又はアセトアミノフェンで処理後、セリンプロテアーゼ活性は、24時間以降に著明に上昇した。 以上の結果から、アルコール、アセトアミノフェンによる肝細胞のアポトーシスにおいて、TLCK感受性セリンプロテアーゼがミトコンドリアの上流で作用していることが示唆された。また、アセトアミノフェンによるアポトーシスにおいては、ミトコンドリアの経路とは独立したシグナル伝達機構が重要であると推測された。 セリンプロテアーゼ蛋白の精製 HepG2細胞をアセトアミノフェン(10.0mM)で処理後、細胞より蛋白を抽出した。SBTIを固定化したアフィニティーカラムに試料を添加し、溶出液のNaCl濃度を1.0[M]まで上昇すると、セリンプロテアーゼ活性の高い分画が採取された。
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Research Products
(1 results)