2004 Fiscal Year Annual Research Report
大腸粘膜細菌とプロバイオテクスの腸管免疫モジュレーターとしての役割
Project/Area Number |
15590688
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Research Institution | JUNTENDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大草 敏史 順天堂大学, 医学部, 講師 (50160445)
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Keywords | 潰瘍性大腸炎 / 粘膜分離細菌 / 腸内細菌 / 腸内細菌 / 炎症性サイトカイン / 粘膜細胞侵入性 |
Research Abstract |
炎症性腸疾患の原因または増悪因子として腸内細菌が注目されているが、その病原性の解析は十分になされていない。我々は、潰瘍性大腸炎の大腸粘膜細菌と乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオテクスについて、大腸粘膜細胞侵入性と粘膜サイトカイン産生刺激能による病原性の解析を行った。その結果として、潰瘍性大腸炎の病変粘膜から分離された粘膜細菌の中に、粘膜細胞侵入性があり、かつ、粘膜からIL-6,IL-8,MCP-1などの炎症性サイトカイン産生を引き起こす細菌があることが判明した。特に、我々が潰瘍性大腸炎の原因の一つと特定したFusobacterium variumが一番高度であった。これらの菌が、潰瘍性大腸炎の再燃・再発因子となる可能性が示唆され。一方、乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオテクスでは、粘膜侵入性がある菌株はほとんどなく、炎症性サイトカインの産生刺激能はすべて認められなかった。以上から、今まで、共生して無害と考えられていた腸内細菌の中に、粘膜上皮侵入性があり、炎症性サイトカイン産生を促進するといった病原性菌があることが明らかとなり、逆に、プロバイオテクスにはその様な病原性がないことが確認された。上記の結果は、研究代表者により、国内の研究集会をはじめ、第90回日本消化器病学会(2004年3月、仙台)で発表し、さらに、2004年5月ニューオーリンズで開催された米国消化器病学会(2004DDW)でも発表した。
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Research Products
(2 results)