2003 Fiscal Year Annual Research Report
低分子量G蛋白Rhoファミリーによるヒト肝および膵星細胞のMMP-1発現調節機構
Project/Area Number |
15590691
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
朴沢 重成 東海大学, 医学部, 講師 (40181482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 広壽 東京大学, 医科学研究所・先端医療研究所センター, 助教授 (00171794)
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Keywords | 肝星細胞 / 膵星細胞 / MMP-1 / 低分子量G蛋白 / Phoファミリー / 遺伝子転写 |
Research Abstract |
平成15年度の研究計画は、1.IL-1βによる肝および膵星細胞のMMP-1発現変化の検討、2.Rhoファミリーの細胞内機能の確認、3.RhoファミリーのMMP-1発現に及ぼす効果の検討、であった。 1.肝および膵星細胞において、IL-1βは蛋白レベル(ザイモグラフィー)、mRNAレベル、(ノーザンブロット)、遺伝子転写レベル(MMP-1の遺伝子転写活性)のいずれにおいてもMMP-1の発現を亢進することが確認された。 2.特異的機能阻害剤ボツリヌスC3酵素の処理により、偽足を伴った星状の星細胞の細胞質形態が類円形に数分以内に変化した。この変化は可逆性であった。したがって、少なくともrhoA蛋白がこれらの細胞内で機能していることが示唆された。ドミナントネガティブ変異体や持続活性型プラスミドの遺伝子導入による形態変化に関しては、現在検討中である。 3.RhoファミリーがMMP-1発現に及ぼす効果の検討 1)C3酵素で星細胞を処理し、IL-1β投与群と非投与群でMMP-1発現変化を比較検討したところ、C3酵素はIL-1βによるMMP-1の発現亢進を抑制しなかった。 2)Rho系のドミナントネガティブ変異体(Rac1N17,RhoAN19,Cdc42N17)プラスミドを、MMP-1の遺伝子プロモーターと同時形質導入し、IL-1β投与群と非投与群とでMMP-1の転写活性を比較検討したところ、Rac1N17のみでIL-1βによるMMP-1の発現亢進が抑制された。Rac1が、IL-1βによるMMP-1の発現亢進を遺伝子転写レベルで調節していることが示唆された。 以上、本年度の研究計画はほぼ順調に遂行された。次年度以降はMMP-1の遺伝子転写調節機構につき検討を加える予定である。
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Research Products
(1 results)