2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590703
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
田代 充生 産業医科大学, 医学部, 助手 (20341498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 雅史 産業医科大学, 医学部, 助手 (80369058)
大槻 眞 産業医科大学, 医学部, 教授 (00030916)
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Keywords | アルコール性膵障害 / 膵星細胞 / 緑茶ポリフェノール |
Research Abstract |
平成16年度に行った研究から、アルコールによって刺激された膵星細胞の活性化が、抗酸化剤であるエピガロカテキンガレート(EGCG)やアスコルビン酸によって、抑制され、膵線維化を抑制する可能性が示唆された。 本年度は、エタノール摂取によって惹起されるアルコール性膵障害の機序を明らかにし、アルコール性膵障害の新たな治療ターゲットを探索する目的で、エタノールおよびEGCGの膵星細胞への酸化ストレスの影響および細胞機能への影響について検討を行った。膵星細胞の細胞膜の過酸化脂質の産生はエタノール添加30分後から24時間後まで観察された。EGCGはエタノールによって誘導される細胞膜の過酸化脂質の産生を濃度依存性に抑制した。24時間のエタノール添加により、膵星細胞内の総superoxide dismutase(SOD)活性はコントロールの64.6%まで減少したが、EGCG添加によりSODの消費は濃度依存性に抑制された。一方、膵星細胞内のMn-SODおよびCu/Zn-SOD遺伝子発現は、エタノールにより増強され、EGCG添加により濃度依存性に抑制された。α-SMA蛋白発現はエタノール添加で41%増加し、EGCG添加で濃度依存性に抑制された。I型プロコラーゲン蛋白発現、上清へのコラーゲンおよび活性化TGF-β1分泌量もエタノールにより増加し、EGCGにより濃度依存性に抑制された。コラーゲン合成、α-SMA蛋白合成に重要な役割を果たしているp38MAPKのリン酸化は、エタノール添加により有意に増加し、EGCG添加により抑制された。さらに、静止期の膵星細胞を5日間培養すると活性化星細胞へと形質転換したが、EGCG(最終濃度25μM)を添加すると膵星細胞は形質転換せず、静止期に留まった。
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Research Products
(1 results)