2003 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス複製に重要なHBVεとHCV3'Xの類似構造に結合する細胞蛋白の検索
Project/Area Number |
15590704
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
梶野 一徳 財団法人癌研究会, 癌研究所・実験病理部, 研究員 (80260066)
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Keywords | HBV / HCV / RNA結合蛋白 |
Research Abstract |
我々の研究目標は、B型肝炎ウイルス(HBV)RNAのεとC型肝炎ウイルス(HCV)IRNAの3'Xの類似構造に結合する蛋白を単離・同定すること、さらにそれらが、両ウイルスの生物学的共通性に関係があるかどうかを調べることである。 HBVRNAのε構造と、HCVRNAの3'X構造は、両ウイルスの複製・パッケージングに重要な働きをする。我々は、両者には、同一の7塩基配列を含む類似の2次構造があることを報告した(Proc Japan Acad 78:12-14,2002)。 それらの2次構造をとり得るようなDNAオリゴマー(但し、チミンをデオキシウリジンで置換)およびRNAオリゴマーをプローブとして、SDS-PAGE-サウスウェスタン法(HepG2細胞抽出蛋白)を行い、HBVεに対応するオリゴマーと結合する110kDa、35kDa,15kDaの蛋白、およびHCV3'Xに対応するオリゴマーと結合する110kDa、55kDa、35kDa,15kDaの蛋白の存在を確認した。これらのうち110kDa、35kDa,15kDaのものは両者に共通するものであった。(HCV3'Xオリゴマーと結合する55kDa蛋白は、既にHCV3'Xとの結合が報告されているPolypyrimidine tract binding protein (PTB)と大きさが一致する。) 現在、HepG2cDNA発現ライブラリーを用いて、上述のオリゴマーと結合する蛋白のスクリーニングを進行中である。現時点において、複数の結合クローンを得ているが、いずれも結合の特異性が低く、目的であるところの、特異的な結合蛋白の単離にまでは至っていない。今後、結合の条件・プロープの長さ等を変えて、サウスウェスタンスクリーニングを継続してが、UV-crosslinking法等の別の方法についても試行する予定である。
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