2003 Fiscal Year Annual Research Report
Helicobacter heilmanniiの壁細胞、胃粘膜幹細胞に対する作用:酸分泌抑制剤および胃ガン形成との関連
Project/Area Number |
15590705
|
Research Institution | Kitasato Institute |
Principal Investigator |
中村 正彦 社団法人北里研究所, 基礎研究所, 研究員 (30155858)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 司 北里大学, 北里生命科学研究所, 講師 (00173906)
松井 英則 北里大学, 北里生命科学研究所, 講師 (30219373)
芹沢 宏 社団法人北里研究所, 北里研究所病院, 内科研究員 (60187870)
|
Keywords | ヘリコバクターハイルマニイ / ヘリコバクターピロリ / apoptosis / 壁細胞 / 脱分化 / H2 blocker / proton pump inhibitor / semiorgan culture |
Research Abstract |
まずHelicobacter heilmannii(HHLO)感染モデルを作成した。すなわち、HHLO感染C3Hマウス10匹の胃粘膜および胃粘液homogenateを胃管を用いてC57BL6マウス50匹に投与した。投与後、1,2,3,6ヶ月後の胃粘膜組織はrapid urease testにより強陽性を示し、感染成立が確認された。その際、胃組織は軽度の胃炎を認めた。 次に、H2 blockerのcimetidine(30mg/kg),proton pump inhibitorのlansoprazole(10mg/kg)を3日間連続して経口投与し、その翌日に胃組織を採取し、胃粘膜上皮細胞の変化をapoptosisおよび脱分化の点から検討した。すなわち、apoptosisは、Tunel法、caspase 3,caspase 8免疫活性、脱分化は、Brdu投与、免疫組織化学およびMUsashi-4免疫活性の点から主にH,K-ATpase免疫活性との比較より検討した、その結果、H2 blocker投与群において、壁細胞のapoptosisに陥る確率の有意の上昇を認めた。また、逆に一部の壁細胞では2核の細胞の割合が増加し、BrdU陽性所見も認め、壁細胞の脱分化を示す所見と考えられた、これは、HHLO感染持続は、胃粘膜組織の安定性の低下をもたらし、酸分泌抑制剤、特にH2 blocker投与前の除菌が必要であることを示唆すると考えられた。 HHLO培養に関しては、O2 tension、CO2 tension,培地の変更などを行ったが、いずれも早期に生菌が消失しており、いまのところはっきりした結果は得られていない。しかし、胃組織を用いたsemiorgan culture系では数時間の培養が可能となっており、Helicobacter pyloriと比較した際に粘膜深部への侵入というHHLOに特異的な所見が再現された、この点については、その方法などについてさらに改良中である。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Nakamura, M: "Rebamipide binds to iNOS-positive cells in acetic acid-treated but not in ethanol-treated rat gastric mucosa"Aliment.Pharmacol.Ther.. 18(Suppl1). 76-81 (2003)
-
[Publications] Nakamura, M: "Interaction of leptin with gastric myofibroblast transformation in Helicobacter pylon-infected Mongolian gerbils : the effect of rebamipide"Aliment.Pharmacol.Ther.. 18(Suppl1). 99-105 (2003)
-
[Publications] 中村正彦: "胃粘膜内Leptin免疫活性の意義-Hp,HHLO感染による変化-"胃分泌研究会誌. 35. 105-109 (2003)
-
[Publications] Nakamura, M.: "Microcirculation Annual 2003"Leptin and its receptor localization in mouse stomach : effect of Helicobacter heilmannii infection. 120 (2003)