2004 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍プロモーターを利用した腫瘍融解性アデノウイルスによる難治性消化器癌の治療
Project/Area Number |
15590706
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Research Institution | Chiba Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
川村 希代子 千葉県がんセンター(研究所), 病理研究部, 主席研究員 (80260248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 雅敏 千葉県がんセンター(研究所), 病理研究部, 部長 (20171572)
税所 宏光 千葉大学, 大学院・医学研究院・腫瘍内科学, 教授 (10092058)
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Keywords | 遺伝子治療 / 転写調節領域 / ミッドカイン / 腫瘍融解性ウイルス / サバイビン / SCIDマウス |
Research Abstract |
多くの消化器腫瘍で高発現をみるが、正常組織での発現が限定的なミッドカイン遺伝子の5'側上流604bpの転写調節領域を、アデノウイルスのE1A転写調節領域に挿入し、E1Aの発現を当該プロモーターで制御するウイルスを構築した。このウイルスの有するin vitro細胞障害活性と腫瘍特異的なウイルス増殖を確認した後、in vivo抗腫瘍効果をさらに検討した。ヒト肝癌HuH-7細胞をSCIDマウスに接種し、腫瘍を形成させた後、その腫瘍局所に当該ウイルスを投与した。その結果、コントロールのgreen fluorescence proteinを有する非増殖型のアデノウイルス投与群に比較して、当該ウイルスを投与した腫瘍では、その後の腫瘍増殖が著しく抑制されていた。この時、当該ウイルスを投与した腫瘍ではE1Aタンパクの発現が検出されたが、当該ウイルスを投与した筋肉では同タンパクの発現は全く見られなかった。組織学的には当該ウイルスを接種した腫瘍において多くの壊死像が観察されたが、コントロールウイルス投与腫瘍ではそのような変化は見られなかった。したがって、当該ウイルスは腫瘍特異的に増殖し、腫瘍を破壊するオンコリテックウイルスであると考えられた。また、新規の腫瘍プロモーターを検討し同様な腫瘍融解性ウイルスの有用をさらに検証するため、細胞周期の特定の時期に発現するサバイビン遺伝子の転写調節領域を検討した。その結果、転写開始点より約500bp5'側上流に当該領域があることをルシフェラーゼアッセイを用いて明らかにした。そこで、このプロモーターをアデノウイルスのE1A転写調節領域に挿入した組換えウイルスを作製し、その抗腫瘍活性を検討している。
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Research Products
(6 results)