2004 Fiscal Year Annual Research Report
交感神経興奮による心室貫壁性電位分布の変化と心室細動(病的心臓の立体マッピング)
Project/Area Number |
15590729
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
池主 雅臣 新潟大学, 医学部, 助教授 (40303151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲塚 隆 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00301185)
古嶋 博司 新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (10377161)
田辺 靖貴 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員
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Keywords | 心室細動 / 自律神経興奮 / 心臓性急死 / M細胞 / マッピング |
Research Abstract |
不整脈の実験モデルを用いて自律神経興奮と不整脈発症の関係を検討した。以下の知見がえられ一部を発表した。 1.頚部迷走神経管を電気刺激して副交感神経緊張状態、星状神経節を刺激して交感神経緊張状態とし、MemCalc法による体表面心電図のパワースペクトル解析がこれらの状態をどのように反映するか検討した。迷走神経管刺激でHF成分が、星状神経節刺激でLF/HFが増大した。Disopyramideを静注するとHF成分の減弱とLF/HFの増大が見られた。迷走神経緊張にともなう心房細動はdisopyramideでは抑制できたが、pilsicainideでは抑制できなかった。 2.QT間隔が延長した状態では、迷走神経興奮が減弱して心拍数が徐々に上昇すると心室貫壁性にT波の交代現象(TWA)が生じ、時間・空間的に不応期分布の不均一性が増大し、心室細動も発症した。心拍が徐々に上昇する期間の自律神経興奮の変化をパワースペクトル解析で検討すると、交感神経緊張がbaselineよりも亢進しており、交感神経興奮の不整脈源性が示唆された。 3.ナトリウムチャネルの不活性化を抑制する薬剤を用いた実験で、心拍上昇期にみられるTWA中にマグネシウムを静脈注射するとTWAはただちに消失し、TWAに引き続いて生じる心室細動も抑制された。マグネシウムは心室細動の契機となる期外収縮を抑制するとともに、活動電位持続時間も軽度短縮させて心内の不応期分布の不均一性を是正した。 4.同様のモデルでエピネフリンを静注すると、低用量では抗不整脈効果が見られたが、高用量を用いると心室性期外収縮を契機として心室細動が発生した。このようなエピネフリンの効果はβ遮断薬の前投与で抑制された。同様の所見は星状神経を電気刺激する方法でも観察された。
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Research Products
(6 results)