2003 Fiscal Year Annual Research Report
心室筋細胞におけるナトリウム・トランジェントの検出と、病態生理学的役割の研究
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15590733
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| Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
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Principal Investigator |
佐藤 洋 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (30293632)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
漆田 毅 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (20334980)
寺田 肇 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (50252177)
加藤 秀樹 浜松医科大学, 医学部, 助手 (80314029)
林 秀晴 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50135258)
渡邊 泰秀 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50305380)
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| Keywords | 心筋細胞 / 興奮収縮連関 / ナトリウム / カルシウム / 抗不整脈薬 / 陰性変力作用 |
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| Research Abstract |
心筋細胞の興奮収縮連関において中心的な役割を果たしているCa^<2+>transient(CaT)は、細胞膜のL型Ca^<2+> channelを介するCa^<2+>流入と、筋小胞体(SR)からのCa^<2+>放出により決定される。これまでの興奮収縮連関の研究は、Ca^<2+> channelとSRの機能連関、すなわちCa^<2+>-indnced Ca^<2+> releaseを中心に進められてきた。しかし、心筋細胞では、細胞膜のNa^+/Ca^<2+>交換機構(NCX)が発達しており、NCXは細胞膜電位と[Na^+]_iの変化によりCa^<2+>流入、排出の両方向に働くため、[Na^+]_iは、CaTの振幅や動態に影響する重要な要素である。従って、心拍ごとの[Na^+]_iの変化(Na^+ transient : NaT)を捕らえて、CaT、活動電位との関係を検討することは、興奮収縮連関を理解する上で非常に重要である。NCXは心拍中にCa^<2+>流入、排出の両方向のモードが、細胞膜電位と[Na^+]_iにより入れ替わることが推測されているが、その詳細は不明である。I群抗不整脈薬の中には、陰性変力作用が強いものがあり、CASTで示されたように心筋梗塞患者の予後をかえって悪化させる。陰性変力作用の機序としては、Ca^<2+>電流の抑制に加えて、Na^+ channelとの解離が遅い薬剤では、Natへの抑制作用が重要と思われるが、現在まで解明されていない。平成15年度は、蛍光色素法(indo-1,fluo-3)を用いて、モルモット心室筋細胞の細胞収縮とCaTを測定し、(1)I群抗不整脈薬のPilsicainide(Pil)が0.5〜2Hzの刺激頻度で用量依存性に細胞収縮とCaTを低下させること、(2)NCXのCa流入モードの阻害薬であるKB-R7943(1μM)は、2Hzでの刺激時のみ細胞収縮とCaTを低下させること、(3)KB-R7943を作用させた後では、Pilの陰性変力作用は消失することを示した。さらに、我々は、レーザー顕微鏡とNa感受性色素のsodium-greenを用いて細胞内Na濃度の数ミリ秒での変化の可視化に成功した。結果、(1)細胞内Na濃度は、高頻度刺激でのみ増加すること、(2)Na濃度の増加は、ジギタリス剤により増強し、Pilにより用量依存性に低下することが示された。平成16年度には、一心拍ごとのNa濃度の変化を捕らえ、細胞内Na transientを同定すること、Na transientの、Pilやジギタリス剤による変化、Dahl ratなど心不全モデルでの変化を検討する予定である。
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[Publications] Hiroshi Satoh: "Importance of Ca2+ Influx by Na+/Ca2+ exchange under normal and sodium-loaded conditions in mammalian ventricles"Molecular and Cellular Biochemistry. 242. 11-17 (2003)
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[Publications] Yasuhiro Yaguchi: "Protective effects of hydrogen peroxidase against ischemia/reperfusion injury in perfused rat hearts"Circulation Journal. 67. 253-258 (2003)
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[Publications] Hiroshi Satoh: "MYOCARIDIAL ISCHEMIA AND PRECONDITIONING"Involvement of Na+/Ca2+ exchange in normal cardiac excitation-contraction coupling and in Ca2+ overload during ischemia and reperfusion. 22 (2003)
