2003 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン シグナル抑制分子JAB/SOCS-1/SSI-1による動脈硬化の抑制
Project/Area Number |
15590739
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古川 裕 京都大学, 医学研究科, 助手 (60359833)
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Keywords | サイトカイン / シグナル抑制因子 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
サイトカイン シグナル伝達系であるJAK/STAT系を阻害する負の調節因子、Janus kinase(JAK)-binding protein/suppressor of cytokine signaling 1/signal transducers and activators of transcription(STAT)-induced STAT inhibitor 1(JAB/SOCS-1/SSI-1)の作用を利用した抗動脈硬化治療が可能か否かを検討するため、まず、JAB/SOCS-1/SSI-1をCD11bプロモーターにより単球/マクロファージに過剰発現させたトランスジェニック マウス(JAB Tg)と動脈硬化モデルマウスであるapolipoprotein E欠損マウス(apoE^<-/->)を交配し、JAB Tg/apoE^<-/->マウスを作成した。各個体の遺伝子型は、尾の組織から抽出したゲノムDNAを試料としたPCR法により判定した。 JAB Tg/apoE^<-/->マウス(n=4)と、JAB/SOCS-1/SSI-1遺伝子に関しては野生型のJAB WT/apoE^<-/->マウス(n=8)を通常のマウス飼料下に飼育した。マウスは30週齢で麻酔下に屠殺、大動脈の無名動脈分岐部から末梢の大動脈全長を用い展開標本を作成した。展開標本にoil red-0染色による脂肪染色を行い、染色像をコンピューターへ取り込んだ上で、NIH image software(version 1.61)により、大動脈内腔表面積に対するoil red-0陽性領域の面積比を計測し、両群間で比較した。 その結果、面積比はJAB WT/apoE^<-/->群で24.5±7.6%(mean±SD)であったのに対し、JAB Tg/apoE^<-/->群では16.9±2.7%と動脈硬化病変が抑制される傾向を示したが、その差は統計学的に有意ではなかった。
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