2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現情報の多系統解析による心不全発症決定因子としてのリモデリング機構の解明
Project/Area Number |
15590742
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 一博 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90303966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大津 欣也 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20294051)
三輪 岳志 大阪大学, 遺伝子情報実験センター, 助教授 (20174229)
増山 理 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70273670)
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Keywords | 心不全 / 心筋肥大 / リモデリング |
Research Abstract |
1、ダール食塩感受性ラットを用いて作成した高血圧性拡張不全モデル、高血圧性収縮不全モデルの種々のステージの心筋組織を用い、cDNA array法を用いて8800種類のmRNAの発現状況を検討し、いくつかの物質の遺伝子発現に差異を認めた。 2、収縮不全モデルでは、細胞外マトリックスの分解をつかさどるmatrix metalloproteinase(MMP)-2の発現および活性促進が左室拡大に先行して生じ、これに引き続いてMMP-9の発現及び活性促進をきたし、左室拡大、心不全発症に至ることを明らかとした。また、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)は、降圧効果とは独立した機序でMMPsの発現を抑制し、左室拡大を阻止することも明らかとなった。 3、左室拡大の起こらない拡張不全では、ACEIは,MMPsの活性化を抑制せず、これがコラーゲン蓄積阻止に結びついている可能性が示され、ACEIは病態により作用が異なることが示唆された。 4、一方、アンジオテンシン受容体拮抗薬は、拡張不全において、コラーゲン産生阻止によりコラーゲン蓄積阻止をもたらしていた。 5、拡張不全モデルでは、Phospholipase Dの活性化、マクロファージの浸潤など炎症性反応の亢進、酸化ストレスの増大などが深く関与して線維化等の組織学的変化が進み、拡張不全に移行すること、N-Methylethanolamineがphospholipase Dの活性抑制により線維化の進行阻止、拡張不全発症阻止をもたらすことを明らかとした。
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Research Products
(4 results)