2003 Fiscal Year Annual Research Report
MAPキナーゼの新しい基質Mnk1の血管平滑筋細胞における機能の探索
Project/Area Number |
15590750
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石田 隆史 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (40346482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉栖 正生 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20282626)
石田 万里 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (30359898)
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Keywords | 血管平滑筋 / 動脈硬化 / 高血圧 / シグナル伝達 / Mnk1 |
Research Abstract |
(1)ラット培養血管平滑筋細胞においてMnk1はAngiotensin II (AngII)により5分以内に活性化され、Mnk1の基質として知られているeIF4Eは10分でリン酸化を受けた。Mnk1のドミナントネガティブ(DN)フォームを細胞に導入することによってeIF4Eのリン酸化は阻害された。Mnk1とeIF4Eの活性化はDN-MEK1によって阻害されたがDN-p38MAPキナーゼによっては阻害をうけず、Mnk1の活性化にはERKが必要であることが示唆された。低分子量G蛋白質Ras, Rho, Rac, Cdc42のDNのうち、DN-Rasのみが完全にMnk1とeIF4Eの活性化を抑制し、RasがMnk1/eIF4Eの活性化に関与していることが明らかとなった。さらにMnk1の特異的阻害剤であるCGP57380の前処置により、AngIIによる蛋白合成および細胞面積の増加が抑制された。以上より、AngIIはMnk1、eIF4Eを活性化し、その活性化にはRas-ERKのシグナル伝達経路が関与していることが明らかとなった。また、このMnk1-eIF4Eの活性化はAngIIによる血管平滑筋細胞における蛋白合成促進および細胞肥大に強く関与していることが示唆された(Ishida et al. Circulation Research 2003;93:1218)。 (2)Mnk1によりリン酸化をうける新規の基質の存在を明らかにするため、活性型Mnk1あるいは対照としてpcDNAを導入した血管平滑筋細胞のlysateを二次元電気泳動した。泳動後、リン酸化タンパク質のみを検出する染色液(proQ Diamond)にて染色したところ、細胞質、核内ともに活性型Mnk1の導入によりリン酸化の増加するスポットが数個認められた。現在、ゲルより抽出した蛋白を質量分析により解析中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Mari Ishida: "Mnk1 is required for angiotensin II-induced protein synthesis in vascular smooth muscle cells"Circulation Research. 93. 1218-1224 (2003)
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[Publications] Tetsuya Oshima: "Effect of amlodipine and cilazapril treatment on platelet Ca2+ handling in spontaneously hypertensive rats"Hypertension Research. 26. 901-906 (2003)
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[Publications] Satoshi Kurisu: "Cardiac angiotensin II type 2 receptor activates the kinin/NO system and inhibits fibrosis"Hypertension. 41. 99-107 (2003)