2004 Fiscal Year Annual Research Report
心筋細胞肥大における受容体活性化カルシウムチャネルTRP蛋白質の役割解析
Project/Area Number |
15590756
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐藤 真司 九州大学, 大学病院, 講師 (60274445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住本 英樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (30179303)
井上 隆司 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30232573)
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Keywords | Transient receptor potential channel / G protein / Ca^<2+> channel / アンギオテンシンII / アポトーシス / カルシニューリン / 心不全 |
Research Abstract |
1.HEK293細胞、ラット新生児培養心筋細胞へのTRP7遺伝子導入実験を行った。 (1)Fura-2によるHEK293細胞カルバコール刺激時細胞内Ca^<2+>Transient測定の結果、TRP7はG蛋白質活性化カルシウムチャネルとして機能することが確認された。 (2)TRP7発現培養心筋細胞でアポトーシスが高率に誘導された(TUNEL染色で確認)。これはアンギオテンシンII刺激で更に増加した。このアポトーシスはアンギオテンシンII受容体拮抗薬、カルシウムチャネル拮抗薬、カルシニューリン拮抗薬で抑制された。 (3)アポトーシス細胞ではatrial natriuretic factorの発現低下、アクチン線維の破壊が高率に認められた。 (4)培養心筋細胞ではアンギオテンシンII刺激でTRP7 mRNAの発現が増加し、この発現はアンギオテンシンII受容体拮抗薬、カルシウムチャネル拮抗薬、カルシニューリン拮抗薬で抑制された。 2.食塩感受性高血圧-心不全ラット(Dahl rat)におけるTRP7の関与を検討した。 (1)心不全に陥ったDahl rat心筋組織でTRP7 mRNAの発現が増加しており、この発現はアンギオテンシン変換酵素阻害薬治療により減少した。 (2)心不全に陥ったDahl rat心筋組織でアポトーシスが高率に認められた。このアポトーシスはアンギオテンシン変換酵素阻害薬治療により抑制された。 以上の結果から、TRP7は心筋細胞においてアンギオテンシンII受容体を介するアポトーシスを誘導する受容体活性化カルシウムチャネルであり、細胞内カルシニューリン情報伝達系を介することが示唆された。さらにTRP7はアポトーシス→心不全の過程に関与している可能性がある。
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Research Products
(2 results)